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    「不採算の荷主断り、攻勢に」大同通運・三浦専務

    2008年7月30日

     
     
     

     創業以来続く通運をはじめとするトラック運送業、3か所の倉庫を軸とする不動産事業、そしてここ数年で大きく伸びた新車納車時点での各種付帯作業部門。3つの事業分野にバランスよく経営資源を配分させる。社内では、明文化された経営の基本方針を支店長会議でそらんじるなど、トップの方針が浸透する。経営状態は万全の様子だが、これまでの道のりは平坦ではなかった。


     「大同通運が傾いたなどと5年、10年先に聞かせるなよ」。リストラで会社を去る社員が、経営陣にそう叱咤したのが10年前。その3年前に兄弟会社の自動車ディーラー「神戸トヨペット」から会社再建を託され、やってきた三浦紘二専務も突き上げられる側の渦中にいた。
     当時、会社は「のっぴきならない」状態だった。取引先は製鉄などの素材、化学、飲料などの大手メーカーぞろいで、バランスも悪くない。ただ、人件費率がべらぼうに高くなっていた。90万円の運賃収入に対して人件費は50万─60万円。そんな例が珍しくなかった。
     リストラ資金が保有資産の売却で手当てできたのが救いだった。60人の社員が去り、規模は半分に。年功序列型だった賃金体系も見直した。
     取引先との関係も直視しなければならなかった。例えば、ある製紙会社のために建てた、高く積み上げると下がつぶれてしまう紙製品を保管するには、背が高すぎる平屋の倉庫。倉庫がないと運送もなくなってしまう取引上の懸念から、採算は度外視の状態だった。
     過積載などリスクの大きい割には業界自体が冷え込んでいた鉄からも撤退した。メーカーの元請けだったこともあり「正気か」と言われた。
     不採算の荷主を断ったあと、攻勢に出た。現状で売り上げの3割を占める、納車前の付帯作業部門がその代表だ。従来からキャリアカーで神戸トヨペットへの新車運搬は請け負っていた。目をつけたのは、カーナビなどの電装品やシートカバーの取り付けといった、運搬業務の先にある顧客への納車関連作業の受注。
     通運も、折からのモーダルシフトで数年前から黒字部門になり、いまでは営業活動のテコにすらなっている。
     トラック運送は、廃車・中古車分野の開拓を進める。登録が抹消された車の運搬に、コンプライアンスの観点から産廃収集の許可を取得して臨む。新車の販売が落ち込む閑散期にキャリアカーを有効活用する狙いもある。
     今後の課題は、熟練社員の高齢化にいかに対処するか。作業部門だけでも手当てする方法を模索している。
     三浦氏が社内に配った今年度の経営方針に、こんなくだりがある。「変化するということは、変えてはいけない部分と変わらなければいけない部分をきちんと選別すること。何も変えたくないというのは信念ではなく、ただ頑固なだけ!」。
     「10年前の社員の言葉は胸にしみた。絶対に建てなおして見せる」。その後の攻勢、経営の継続はむしろ、あのときがあったからこそがむしゃらになれたと考える。スクラップアンドビルド。三浦氏はそんな言葉を数回口にした。今年、創業60周年を迎える同社の歴史は、産業都市・尼崎の盛衰に翻弄されてきた感もある。(西口訓生)
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    【会社概要】
    1949年設立。車両台数68台、従業員130人。尼崎市の本社のほか西宮市に2つ、神戸市と京都府福知山市の4か所に支店。年商約13億円。社長は西村太一氏。

     
     
     
     
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