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    未払い残業代巡りトラブル

    2012年10月30日

     
     
     

     各地で、トラック事業者の「未払い残業代」を巡るトラブルが発生している。運輸行政の罰則基準には敏感でも、労基法には疎い経営者のスキをついて、数千万円から数億円という巨額の請求をしてくる悪質なケースが増えている。「就業規則、雇用契約、そして給与明細。この3つをきちんと整備しておかないと、思わぬ事態を招く」と専門家は指摘する。
     東京労働局管内の未払い残業代を含む賃金不払い事案は、09年をピークに一時減少したものの、11年には3902件、対象労働者6786人、不払い金総額は40億円以上に上った。現在も厳しい経済情勢を反映し、「高止まり」の傾向にある。「あくまで労基署に申告(違反事実の通告)されたもので、氷山の一角」と担当官。未払い残業代について、「賃金規則の内容と乖離した実態は多くの監査で報告されている」と指摘する。


     埼玉県の物流会社。従業員は100人ほどで、トラックは30台保有。26人のドライバーのうち14人が突然、労働組合を結成。「過去2年間に遡って(残業代の請求債権は2年間)未払い残業代を支払え」と数千万円を要求してきた。
     会社側の弁護士は「労組結成の音頭をとったのは入社して1年ほどのドライバーで、社長は2代目で代替わりしたばかり。また、平均月給40万円以上と県内他社に比べ高水準にあることが災いした」と話す。同社では36協定を結んでいたが、届け出は守っていなかった。労基署には訴えておらず、3年目に入った今も解決していない。
     単独で、従業員が弁護士も付けずに請求してくるケースも増えている。神奈川県の某社に入社して半年経ったドライバーが退職直後、「未払い分200万円」を内容証明郵便で請求。ドライバーは特殊車両運転の資格を持ち、給料は良かった。入社から「計ったように」ちょうど半年経って請求してきたそのドライバーは、インターネットで「未払い分」を計算できるソフトを利用。証拠書類を完備していたため、対応せざるを得なかった。
     今、こうしたインターネットを利用したケースが急増。ミクシィなどSNSでドライバー同士が「請求の仕方」「あそこなら(未払い残業代が)取れる」など情報交換。計画的に労務管理体制の弱い会社に潜り込むケースが急増している。
     労務管理に詳しい弁護士は「会社にとって(1)営業規則(2)雇用契約(3)給与明細はスロットと同じ。777なら○だが、778など1つでも違えば×。法的根拠が崩れる」と強調。
     保険サービスシステムでコンサルを担当する馬場栄氏(特定社会保険労務士)は「ドライバーの気質がサラリーマン化したことも大きい。車に乗ることが好きで男気があり、血気盛んという古いタイプはもういない。リーマン・ショック後、サラリーマンだった人がドライバー職に流れ込んだケースも多く『残業代』は当たり前の認識」と話す。
     「残業代5割増」の中小企業への適用を巡り、厚労省は近く、時間外労働の大規模な実態調査に乗り出す。関東のある地方労働局が数年前、改善基準告示違反を摘発するため、トラック事業者を狙い撃ちしたことがあった。「この時、未払い残業代を指摘され(監督官に支払いを命じる権限はないが)、資金繰りに窮し、廃業や倒産に至った会社があった」と馬場氏。今度は厚労省本省による全国的な実態調査が始まる。

     
     
     
     
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