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物流会社が業務で使える
多機能&低価格な地図ソフト

「土地勘のない新人が入ったので、毎日、配送ルートを細かく指示しないといけない」「帰り荷が取れたが、積込先が工場街でドライバーが迷いそう」「無料のナビを使わせていたが、大型車が無理な道に誘導されて大変なことになった」など、道路地図と、日夜、格闘する配車マンやドライバーの悩みは尽きない。

 

月額換算3000円(税別)の低コスト

 法人向け地図サービスやカーナビ地図で知られるインクリメント・ピー(東京都文京区)では、運送事業者に業務で使える多機能&低価格な地図ソフト「Map Fan Desktop(マップファンデスクトップ)」の活用を提案している。1ライセンスの利用料は、1年間で3万6000円(税別)。10ライセンスまで契約できる。

 月額に換算すると3000円(税別)という低コストながら、カーナビで培ったデジタル地図の豊富な技術・経験を基に多彩なルート検索に対応。距離・所要時間・行程・車両に応じた料金情報だけでなく、大型車の道路規制を考慮したルート、複数地点を短時間で燃費を抑えて効率的に巡るルートなど、ニーズにあわせて検索できる。

 また、社内での利用に限り、無料で印刷が可能。1クリックで地図をコピーしてワード・エクセルなどに貼り付けることもできる。パソコン画面上に表示した地図画像のスクリーンショットを撮り、運行中のドライバーにメールで送ることも許諾されている。なお、傭車先や荷主など、社外への提出・配布についてはオプション契約で利用が可能になる。

 同ソフトでは、年12回もの地図更新で、新しい道路や施設の開設に素早く対応。いつでも新鮮な地図データを利用できる。音声誘導、いわゆるカーナビ機能はないが、ルート上の各種情報は取得でき、画面上に表示するなど機能の実装も可能となっている。

 
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検索設定

検索設定画面

(画面クリックで拡大)

 

 フリーワード検索(スポット名、住所、駅名、電話番号、郵便番号)、周辺検索(キーワード、ジャンル選択)、緯度経度検索など、6種類の方法で検索できる。

 
 

巡回ルート検索機能

立寄地を順番に回るルート検索

 

立寄地を入替えて効率よく回る
巡回ルート検索

(画面クリックで拡大)

 

 経由地を設定順にそのまま回るルートはもちろん、大型車が通れる道路や高架下の高さ制限などの規制を考慮※し、出発地〜目的地間の最大10か所の経由地を効率良く回るルートも検索できる。
 また、経由地での滞在時間を最大6時間まで設定できるため、荷物の積み込み・積み下ろしの想定時間を入力しておけば、それらも考慮してルートを算出できる。 ※指定項目:車種規制(指定なし、大型乗用自動車、大型貨物自動車、大型特殊自動車)、車幅、車高、車両総重量、危険物積載車両、車種別料金(中型車、大型車、特大車)

 
 

印刷機能

印刷設定画面

通常印刷とルート印刷

(画面クリックで拡大)

 

 表示されている地図や検索結果は高画質で印刷が可能。さらに、スポット印刷、ルート印刷、ブックマーク印刷、計測結果印刷の各機能もラインアップしている。

 印刷した地図の社内利用はライセンスに含まれるため、社内でルート検索した地図を印刷して従業員(ドライバー)に渡して利用することが可能。

 デジタル地図の印刷には著作権があり、業務利用では許可されないケースが多い。ネット上の地図サービスの大半も業務利用を認めておらず、コピーも禁止されているが、インクリメントPは地図の著作権を保有しているため、自社の判断で許可が出せる。傭車先など社外向けの印刷や2次利用も別途契約することで可能になる。

詳細は同社HP、 https://houjin.mapfan.com/butsuryuweekly
※対応エリア拡大中

 
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物流ウィークリー独自アンケート結果

「地図が欲しいと思った経験がある」ドライバーは87.1%

 トラックドライバー情報サイト「ブルル」が実施したアンケート調査で、「初めての積込先・配送先で地図が欲しい、地図が見たいと思った経験がある」というドライバーは87.1%に上った。

 

 理由を聞くと、「一方通行が多いエリアへの配達なのに、電波状態が悪くてナビが使えないことがあった」、「納品書には、『大字(おおあざ)』などの旧住所や『○○市1丁目○番付近』といった記載だけなど、完全な住所が書かれていない時もあるので困る」、「特に大通りから配達先への地図が欲しい。 ハマるときは最後の段階で狭くて通れないというパターンに陥るから」など。

 「本来、運行管理者がルートを示さなければならないのでは・・・。あまりにもドライバーに丸投げしすぎ」と言った意見も聞かれた。

 
 

ナビに翻弄されるドライバーは9割を超える

とんでもない所に案内される

 

 また、「乗車しているトラックの車幅・車高・規制などで走れない道をナビに誘導されたことはあるか」との質問には、90.7%が「ある」と回答。「トラックが通れない道をナビに案内されることなんて日常茶飯事」という声が相次いで寄せられたが、なかには、「1.5kmほど、くねくねバックしたことがある」という経験談も。ベテランドライバーからは、「ドライバーなら一つや二つ、『スーパーバック』の武勇伝を持っているのでは」と指摘もあった。

 「初めて行く場所でナビに従ったら乗用車がギリギリすれ違えるくらいの住宅街を案内された。朝っぱらからデカいトラックが目の前に走ってくれば、住民の皆さんが避けるのはわかる。迷惑をかけた」と周囲への謝罪を口にするドライバーも。

 あるドライバーは、「有料のトラック用のナビを使っているが、現存する住所・店舗を入力しても検索にヒットしない、車種や車両サイズを登録しているのに軽自動車幅の道に誘導される」など満足ではない様子。他のドライバーからも、「時間に余裕があるので普段とは別の道を行こうとナビをつけたら、行く先々で高さ制限があって延々とさまよった。結局、延着ギリギリに」という苦い経験も寄せられた。

 その他にも、「4トン車に2.5mの高架をくぐらせるルートを提示された」「スマホのナビは、1mでも近道をしようと乗用車でも通らないような道を案内される」「アプリのナビは地図の更新が遅く、ナビ上では畑でも、実際は建造物があるなんてことも多い」「トラック用のナビでも、新御堂筋の重要な分岐を案内しない、曲がり方を知らないものもある」「トラックの設定にも関わらず、大型通行禁止の道路を案内された」など、不便さを募らせる声が少なくなかった。

 
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