エントリーNo.7 認めてもらえる経営者に
信和運輸
応援励みにこれからも頑張る
受賞の連絡を受けた際の一言目は「私で良いんですか」だった、信和運輸(長窪信也社長、埼玉県川越市)の長窪久雄専務。そして「正直、まったく実感ないですね、そんなすごい賞をいただいて良いのかなと。親と同じ仕事に就くことは周りのみなさんも同じような感じでやっているんじゃないですかね。子どものころは跡を継ごう、同じ仕事をしようなんて考えてなかったけれど、大人になったら、ああ、この仕事もいいなと気付くとか」と続けた。
「受賞の記事が出たら、また大変な騒ぎになるかもしれないですね。(受賞対象の)記事が掲載された時も、目にした仲間などから『記事で出てたね、読んだよ』と、たくさんの電話やSNSで連絡があって、その反響に驚きました」と話す。
本紙の記事について、「自分自身、ほかの会社の記事を読んで共感することとか勉強になることがたくさんある。全国共通の同じ悩みを持っている中で、相談できる人ってとても少ないんですよ。それに地域性というか、その違いや温度差も参考になる。モチベーションの高い方たちの記事では大いに刺激を受けている」とも。
また、「今は特にドライバーさん不足で、どこでもドライバーさんが欲しくて仕方ない。でも一部には業界の評価を落とすようなドライバーさんもいて渡り歩いているという話もある。そういう情報も共有できたら良いなと思う」。さらに、「同じ環境にいるからこそ、共感してくれて、頑張れよと応援もしていただけているのかもしれないですね」と話す。「きっとまた、たくさんの方が良かったねとか、頑張れよとか、連絡をくださるんじゃないかと思います。そういう声を励みに、これからも頑張っていきたい」と語った。
副賞について、「実はまだ誰にも言っていなかったのですが、そろそろユニフォームを新しくしたいなぁと考えていて、展示会とかでこっそり見ていたりしたんです。これを機にユニフォームを一新して、新たな気持ちで頑張っていきたいと思います」と話す。
講評
業界に希望を感じさせる
選考副委員長 鈴木 邦成 氏(日本大学教授)
「トラックに乗ってみるとおもしろくて…」と振り返る長窪氏と、同じ経験を持つ運送事業者は少なくないだろう。また、「父である信也社長とは衝突が絶えなかった」「頭ごなしに否定されるとこちらも熱くなり、譲らなかった」という点も、多くの2代目、3代目経営者が歩んできた道と重なる。
経験を積み、経営者としての自覚も芽生え、「社員らに報いるために〝良い会社〟を作りたい」「〝あの人の言うことだったらやる〟と思われる経営者になりたい」と語り、「息子が継ぎたいと思う立派な会社にできたら」と展望する同氏の記事に多くの票が集まったのは、後継者不足が顕著になり、閉塞感が漂うトラック運送業界において、希望を感じることができるからなのではないだろうか。
物流ウィークリー 年間記事大賞とは?
物流・運送・ロジスティクス業界の健全な発展と社会への業界の取り組みを広く社会にアピールすることを目的に、前年度に発行した「物流ウィークリー」新聞紙面に掲載された全ての記事のうち、優れた企業・物流経営者へのインタビューと話題となったニュースを選び表彰します。
対象部門・選考方法
「企業・経営者部門」「ニュース部門」の2部門で、それぞれ1本ずつ記事大賞を決定します。
2015年4月6日号〜2016年3月28日号までに紙面に掲載された全記事のなかで、読者アンケートで評価の高かった記事(各10本)を選定。それらを、9名の選考委員に記事ごとに5点満点で評価いただき、合計点が最も高かった記事が記事大賞となります。
なお、インターネットからの投票数が最も多かった記事に対し、10点を加算します。
選考期間
2016年9月5日〜2016年9月14日(10日間)
大賞の特典
【企業・経営者部門】対象:該当記事に登場する企業・経営者
表彰状、記念トロフィー
副賞①:理想のユニフォーム製作/100万円相当(協力:シーユーピー株式会社)
副賞②:ストレッチフィルム1年分(協力:ロジ・コンビニエンス株式会社)
副賞③:求人広告1年分 無料掲載/60万円相当(協力:トラックドライバー求人サイト「ブルル」/物流企画サポート株式会社)
【ニュース部門】対象:該当記事を執筆した記者
表彰状
受賞結果
物流ウィークリー2016年10月上旬号及びHPで発表します。