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物流ニュース
塚腰運送 ISO39001取得へ「安全を長期に継続」
2013年4月25日
塚腰運送(京都市下京区)は、精密機械の取り扱いをメーンに、倉庫・梱包・通関など一貫物流を展開。創業から100余年という歴史ある老舗事業者だが、安全への取り組みは先進的だ。ISO9001に加え、労働安全衛生マネジメントシステムのOHSAS18001も取得。現在は、ISO39001(道路交通安全マネジメントシステム)の取得を目指しているという。
この理由について、塚腰髙秀副社長(写真右)は、「ISO9001やOHSASを取得した直後は、事故がたしかに半減したが、その後は事故の低下率が停滞気味に陥っていた」と説明。「安全について改めてじっくりと検討した」中で、ISO39001の存在が浮かび上がってきたという。さらに、「京都では社会的な問題になる交通事故が多発しており、運送事業者も、一歩間違えると社会に大きな迷惑をかけることになると感じた」と語る。
それまでに取得していたISO9001を「顧客や従業員の満足度向上を目指したもの」としたうえで、「それとは別に、社会に迷惑を掛けないための取り組みを推進すべきではないかと考えるようになった。OHSASで一部取り組んでいたが、交通安全に特化した形でのマネジメントシステムが必要と判断し、ISO39001の取得を決めた」という。
認証取得の陣頭指揮を執る品質管理課の水沢喜裕係長は、「OHSASは現場から自分たちの取り組みをアピールする形の認証なので、長期的に継続させることができた」と振り返った上で、「ISO39001もOHSASに似て、ボトムアップ型。現場に浸透していく力も強い」と分析する。
とはいえ、取り組む上で、最初のハードルは現場への理解を促すこと。同係長は、「まず、交通事故を起こした時、社会からどのような目で見られるかを改めてドライバーに考えてもらった」と話す。その上で、「事故にかかる費用が減れば、顧客サービスや営業所への投資にまわせることができ、会社の中で好循環が生まれるということも理解してもらった」。理解を得るポイントは、「焦らずに、何度も説明すること」だという。
この3月にキックオフし、OHSASでの取り組みを活かしつつ、ISO39001での固有のファクターを精査しているところで、「年内の認証取得が目標」だという。なお、同社では、審査契約を日科技連と締結している。
当然、認証取得にはコストがかかるが、塚腰副社長は、ISO9001、OHSASでの経験を踏まえ、「かけた分のコストは間違いなく返ってくる」と言い切る。「自動車保険は長年最高の割引率。顧客からの信頼も得られるなどメリットは充分」。
水沢係長は、「ISOの認証は、表層的なことをやるのではなく、基本的なことをしっかり継続的にやりましょうというもの。小さな積み上げを重ね、PDCAサイクルを回す中で、自社だけでなく、日本、そして世界の事故を減らすことに貢献できれば。使命感を持って取り組んでいきたい」と意欲を見せる。
◎関連リンク→ 株式会社塚腰運送この記事へのコメント
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