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    生産正常化はいつ? 新車トラックの納期、メーカーに聞く

    2011年5月20日

     
     
     

     東日本大震災の影響で、新車トラックの納期が大幅に遅れている。納車の遅れで事業計画を見直す運送事業者もおり、いまやトラックの確保が懸念材料となっている。NOx・PM法で規制された車両の買い替えもできないため、国交省は同法について9月末まで、対象として定めた車両の特例的取り扱いを施行している。メーカーの生産も再開されてはいるが、今後の見通しは必ずしも明確ではない。新車を待つ運送事業者の一人は、この特例的取り扱いの延長も求めている。



     各販社の営業現場では、トラックを発注した運送事業者に納期を明確に示せないでいる様子だ。3か月、半年、1年と説明はまちまちで、すでに生産再開はされたものの、納期がいつごろになるのかはまだわからない。

     日野自動車は工場で生産調整を実施していたが、部品調達のめどがついたとして5月末から順次生産量を拡大し、7月頃から正常化する見込みだ。ただ、「トラックは生産されても、架装メーカーで架装する時間もあるので、納車にはさらに1、2か月は要するのではないか」と話す。納車を待つユーザーに対して「納期を具体的に申しあげられない状況」という。

     いすゞ自動車は、ゴールデンウィーク前には従来の5割の生産体制だったが、連休明けからは9割にまで増えたという。現在はバックオーダー分を生産している状況で順次、納車される。

     各社とも夏以降には生産体制が正常化することを見込んでいるが、「夏の電力不足への対応で再び生産量が減る」可能性を指摘する声もある。

     また、自動車NOx・PM法で規制対象となる車両について、9月30日までの特例的取り扱いを施行した国交省。自交局技術安全部の担当者によると、各メーカーにヒアリングした結果として9月頃には生産正常化の見通しだったため、期限を9月30日に設定したという。

     現在、同法で規制対象となっている車両で、まもなく猶予期限を迎えるトラックの代替えが納車時期の遅れでできない状況になっている。こうした車両不足への配慮から、同法の定める規制対象車種で自動車検査証の有効期間満了日が平成23年3月11日から同年9月30日の車については、継続検査を1回に限り受検して使用することを可能にする特例的取り扱いを決めた。

     トラックは被災地への輸送に必要で、都内のトラックも多く被災地まで走っている。そうしたトラックが使えなくなることを避けるためでもある。担当者は「本来は環境にやさしい車両を使ってもらうのが趣旨」と話す。

     運送事業者の中には9月30日以後の延長を求める声もある。メーカーの生産状況によるが、納車されない状況が続けば延長せざるを得ないことにもなりそうだ。(千葉由之)

     三菱ふそうトラック・バスは17日、東日本大震災後の生産状況を発表。主力の川崎工場の小型ラインは震災前の100%、大・中型ラインは同80%で稼働しており、6月からは震災前の体制に戻る予定という。同社は、「顧客ニーズに応えるべく、6月以降はトラック・バスともに震災前のレベル以上に生産を拡大する」としている。

     UDトラックスは生産状況について、「5月には前年比7割に回復しており、今後も回復を見込んでいる」としている。(真鍋大樹)

     
     
     
     
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