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新トラック運送経営のヒント(11)コミュニケーション不足改善
2012年3月15日
弁護士が自己破産関連の仕事量が減少してきたため、次の有望な(?!)業務として、ドライバーの未払い残業手当問題に力を入れようとしていることは、ご存知の方も多いでしょう。
弁護士の仕事は都市部で多く発生するのですが、未払い残業手当の問題は地方でも発生します。そのせいか最近では地方の運送会社で、この問題に頭を抱えるところが増えています。よくあるケース。それは本社営業所ではなく?地方の営業所?のドライバー同士が結託して弁護士に依頼したり、労基署への内部告発により問題が表面化するパターンです。
なぜ本社営業所ではなく?地方の営業所?で起きるのでしょうか? おそらく中小運送会社の場合、地方の営業所の運行管理体制は手薄、もっと言えばズサンな状態であることが多いからです。運行管理者とは名ばかりで、実際に乗務したりします。ヒドイ場合には、運行管理者が他の業務を兼務していたりして営業所にあまりいないこともあります。こうなると、ドライバーとのコミュニケーションが不足します。不足気味ならまだ良いほうで、実際には電話のみで、ほとんど顔を合わさない状況になることも少なくありません。
どんな職場でも、それが大手の花形の職場であれ、人は必ず不平・不満を抱えます。しかし、社長や上司などが部下の話を真剣に聞いてやることにより、部下の心の乱れは元に戻ったり、緩和したりするのです。
いま日本で起きている労務問題は、コミュニケーション不足が招いたように思えてなりません。足りないのは給料や残業手当のみではなく、「職場で働く人同士を気遣う姿勢」ではないでしょうか。私自身はそれほど浪花節の人間ではないですが、それでもちょっとした気配りを感じれば、人は他人に対して好意を持つことは分かります。
若いやる気のあるドライバーが入社してくる中小運送会社を観察して気づいたことがあります。それは「社長さんが自ら意識してドライバーと会話を交わすこと」です。このたった一つのことを絶対に欠かしません。社長の気遣いで、どれだけ多くのドライバーが報われることか。「よし、また頑張るぞ!」とエネルギーをもらえることか。ドライバーの未払い残業手当問題は、賃金規程などの法律的改善だけでなく、社長さんや管理者側のコミュニケーションを改善する絶好のチャンスと前向きにとらえましょう!
「中小運送会社は社長で決まる」。シンプルですが、これが真実なのです。
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