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新トラック運送経営のヒント(49)「救護義務」の教育を
2013年1月11日
「ひき逃げ容疑で事情聴取をドライバーが受けています」。ある運送会社からのご相談です。ひき逃げは、正確には「救護義務違反」のことですが、状況はさまざまです。
ニュースなどで、ひき逃げ容疑で逮捕されたドライバーの言い訳で一番多いのは、「人に当たったとは思わなかった」です。何かに当たったことには気づいていた、というケースで、おそらく人に当たったであろうことは知っていたが、怖くて逃げた可能性が高いのではないでしょうか。二つ目は、当たったこと自体に気づいていなかったと主張するケースです。大型トラックの後方付近に自転車が軽く接触したケースです。それ以外にも、歩行者や自転車に軽く接触して、実際に相手と話をしたが「相手が大丈夫です」と言ったのをいいことに、警察に事故報告をしなかったため、後日、大変なことになったというケースもあります。どのようなケースであっても、公安委員会から国交省に「事業用自動車の運転者が救護義務違反をした」という通知をされると、運輸監査を受けることになります。この監査は公安委員会の通知を受けて、悪質違反(救護義務違反)をした運送会社に対して行われるもので、仮に安全確保義務に関する法令違反が発覚すれば、初めての違反でも?通常の3倍?の行政処分が科されます。
それよりも怖いのが、「救護違反を予防するための指導監督が明らかに実施されていない場合」に?3日間または7日間の営業停止?となってしまうことです。この事態にならないためにすべきこと。それが「救護義務」についての教育なのです。
普段からドライバーに対して十分に教育をしておかないと、いざ人身事故を起こした時に動揺して逃げてしまう、ということになりかねません。「気づかなかった」では絶対に通用しないこと。少しでも異音がしたら、念のためすぐに停車して確認をすること。普通の人身事故と「ひき逃げ」とでは刑事罰や行政処分で雲泥の差があること。これらを何回も何回も教育をし、テストを実施して理解度を確かめること。地味ですが、必要不可欠な取り組みです。
運送業経営において「救護義務違反」は、まさかの坂です。案外忘れられている教育内容の一つなのです。ぜひ、十分な教育とテストを繰り返し実施して、その記録を残しておきましょう。
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