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    高付加価値への挑戦 物流を核に新たなサービス追求

    2013年6月10日

     
     
     

    josei_0610.jpg 物流事業者にとって「荷物を運び、保管して料金を得る」という業務だけでは生き残りが困難な時代になってきた。物流を核にしながら、新たなサービスの可能性を追求する事業者の挑戦が見られる。



     「本業の『運ぶ』『保管する』だけではいけない。それ以上の価値の提供が必要」。5月中旬、神奈川県厚木市に新たな物流センターを開設した鴻池運輸の担当者は、特色あるセンター開設の背景をこう述べた。同センターはファッション・アパレルに特化し、物流機能だけでなく、アパレル製品の縫製、修正、検針などファクトリー機能と、ECコマースのための撮影スタジオなども備えて、加工工場やECセンターなどへの横持ちをなくしたワンストップサービスを提供する。パートナー企業とのコラボレーションで、物流センターの新たな高付加価値を生み出した。

     こうした物流の機能を核としながら、新たな高付加価値を加えていくサービスを実現しているのは大手だけではない。タムラコーポレーション(田村隆社長、川崎市)は「なでしこ販促便」というサービスを昨年から開始した。女性ドライバーによる仕分け、配送、納入後のケアまでを一貫して行う独自開発のサービスだ。

     たとえば、販促ツールの品物を運ぶだけでなく、設置や設置場所の改善、設置状況調査や改善状況を写真報告する業務を行う。また、スーパーマーケットのお買い物お届けサービスでは、利用者と、ミュニケーションを取りながら配達を実施すると同時に、配達先周辺へのポスティングで新規客開拓をするなどの販促も行っている。現場を見ているドライバーだからこそできる「販促便」のサービスで利用者は拡大。同社がユニークなのは、このサービスを物流関係の展示会ではなく、販売促進の展示会に出展して、運送や物流とは全く違うアプローチで世に出したことだ。

     同社のサービスから見えてくるのは、ドライバーという職業の持つ可能性だ。現場を知るドライバーでなければできないことがきっとある。それは荷物を運んで運賃をもらうという発想だけでは見つけられないかもしれない。こうした事業者は「あれもやる、これもやる」といった単なる副業ではなく、業務の基本に物流を置きつつ、物流業者の本質を外さずに可能性を開いているのが面白い。

     物流の持つ可能性と使命を、様々な分野の人々が実感したのは東日本大震災の時だった。当時、東北へ緊急物資輸送のトラックを走らせた神奈川県のJ社は、今年も社員の一部を東北へ行かせて被災地の今を見させた。被災地支援は、自社のあり方を求めていく姿でもあった。J社は今も、被災地支援を通じて地域社会における社会インフラとしての物流業者の使命を探求している。

     
     
     
     
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