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    高速料金の割引変更 給料計算で困惑「どう計算すれば…」

    2014年5月26日

     
     
     

    etc_0526.jpg 高速道路料金のETC割引が縮小する形で変更されて2か月近くが経過したが、今回の制度改正によってトラック運送の経営現場に新たな悩みが生じている。ドライバーの給料を計算するうえでトラック業界では歩合給が幅を利かせてきたが、その処理に頭を痛める事業者が少なくない様子。距離に関係なく通行料金が半額になった深夜割引が4月から3割引に圧縮されたうえ、深夜割引の前後に用意されていた平日夜間割引(3割引)が消滅したこと。さらに厄介なのは「1か月分を締めてみないと割引が何パーセントになるのかわからない」という平日朝夕割引の存在が経理業務を一段と煩雑化させている。



     「どう計算すればいいのか。いつもの何倍も時間がかかって大変」と、経理を担当している運送会社の社長夫人。兵庫県の播磨南東部エリアに本社を構える同社を訪ねたのは5月12日。従業員の給料日は毎月15日に決まっているが、「今日中に銀行へ入金しないと給料日の振り込みに間に合わなくなる」と、イライラ感が伝わる。

     トラック業界の給与体系は各社各様で、残業代など労働時間の管理がうるさくなった近年は、賃金を時間で計算する例も増えているが、それでも実質的には歩合給制を敷く事業者が多数派だ。同社の場合も10万円ちょっとの固定給に歩合を加算する形でやってきた。トラック1台ごとの月間の売り上げから燃料や高速料金などの経費を差し引き、一定の掛け率で歩合を算出する格好だが、「(加入する協同組合からの)高速料金の請求額がいくらになるのか、それがつかめないから困る」(同)と打ち明ける。

     トラック事業では深夜割引の縮小が大きな影響を与えているが、「基本的に日帰りの仕事が中心」という同社の場合は「平日昼間」「平日夜間」の廃止もダメージとなった。高速出口を通過する際に電光表示される通行料金(値引きゼロの正価)に驚いたドライバーから「給料の計算はどうなるのか」と不安がる声も相次いでいるという。また、大口・多頻度割引のユーザーにも適用されるという話を聞くものの、いまだに詳細が決まっていない「平日朝夕割引」の行方も気にしながらの状態が続いている。

     かつての通勤割引と趣旨は同じだが、頭から半額料金で処理された従来の形とは違い、新設された平日朝夕割引は「月間の利用回数によって割引率がゼロから半額までの3段階に区分される」ため、さらに給与計算をややこしくさせる。実施時期など具体的な内容の早期発表が待たれるが、一方ではこうした厄介な経理作業を抱え込むケースが生じているのも実情。チルド品や冷凍食材などを扱う広島市内の運送会社の場合も、その辺りの事情を懸念している。

     同社は毎月20日締めで給料を計算し、その月の25日にドライバーらに支給してきた。社長によれば「月末まで待たないと割引率が50%か30%か、それともゼロなのかが判明しない。一般のETC利用者とは違った仕組みになることを期待しているが、仮に同じなら給料計算の締め日の時点で(平日朝夕の)割引率が決まっていないことになる。道路会社は一体、何がしたいのだろうか」と新しいルールに首をかしげている。

     
     
     
     
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