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バスから見たトラック 規制強化、運賃に差
2014年7月30日
運送事業はドライバー不足にありながら、なかなか運賃が上昇しない苦しい状況にある。一方で、「バス事業に関してはドライバー不足や規制強化などから、異常な運賃上昇にある」。運送事業とバス事業を展開する大阪府堺市の運送事業者A社は語る。
同社によれば、バス事業に関しては一定の距離を超えればツーマン運行が義務化されており、ドライバー不足の関係から大阪から関東などへのバス料金は大幅に値上がりしている。長距離についてはツーマン運行で、ドライバー不足に拍車をかけることから、ドライバーとバス車両が不足して運賃が上昇している。同社に大阪から関東までのバスをチャーターした場合の運賃を尋ねると、高速代、宿泊代などを別として、運賃だけでも40万円以上に上るほどで、「今まででは考えられない状態」と説明する。同社社長は「運賃を大幅にダンピングした場合は行政からの指導や処分もあり、バス事業者も違反を犯してまで運行はしない。バス事業も規制強化から、違反が発覚すれば即特別監査を受けて、厳しい処分に課せられる。一方、トラックはこれだけドライバー不足、車両不足、さらには異常なまでの燃料価格高騰にも関わらず、運賃はいまだに値下げされる状態」とし、「こういった状況を打開するためにも、国や行政による運賃の介入は必要。荷主によっては現在、運送事業は閑散期で『トラック車両は確保できる』と言う強気の荷主企業もいる。しかし、繁忙期の秋口からは本当にトラックが不足してくるはず。ドライバーの安定した生活と輸送の安定を図るためにも運賃を値上げして、ドライバー不足の解消を図らないと、今後、日本経済にも大きく影響する」と語った。
バスをチャーターするのも、今までのような価格帯では行われていないのが現状。閑散期の夏のシーズンでもバスは不足しており、今後、繁忙期を迎える秋の旅行シーズンはバスが見つからない状態となっている。トラックでも同様のケースが考えられ、その時になっても運賃が上昇しなければ、日本経済を支える物流にも大きな影響が発生するものと予想される。
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