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射界
2018年10月1日号 射界
2018年10月8日
自分を磨く。簡単なようで難しいのが現実。社会の一員として働く立場にあれば、色んな立場の人と接触する機会があり、そのためには自分の意見を相手に理解してもらう力量が求められる。経営者を含めて指導的地位にある人全てに必要な心掛けだが、自分を磨くと言っても色んな側面がある。
▲では一体、何を、どのように磨けばよいか。まずは知識と技術を習得して自らの能力を高め、どんな難問にも耐えられる体力を鍛える。これだけではない。それにも増して大事なのが人格面の陶冶ではないだろうか。抽象的だが、徳を涵養して実践することだ。最近の風潮として、この部分がやや疎かになっているようで、教育現場でも検討されていると聞く。
▲自分磨きの手始めに「前言往行」と説く古賢が多い。端的に言えば、優れた先人の残した言葉や行動を古典や歴史本に学ぶことだ。そこには多くの教訓が秘められた知恵の結晶とでも言うべき宝物がある。現世に生きる私どもは、かつて経験したことのない高度の障害や苦労に立ち向かっていると錯覚するが、実は環境の違いだけで本質は変わっていない。
▲いま、私どもが悩み苦労している事柄を、まとめたのが古典であり歴史の本だ。解決への道を教える貴重な源泉と考えれば、それを学ばない手はない。読書離れを嘆く前に、先人の教えを学ぶ機会を自ら放棄している現実を憂いたい。興味を抱く対象に溢れる現代ゆえに、読書離れもやむを得ないが、「前言往行」への近道にある古典や歴史本を紐解いて欲しい。
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