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射界
2018年11月5日号 射界
2018年11月12日
かつて血液型で人の性格を判断する動きがあった。学理的な根拠があるわけでなく、女性週刊誌が掲載した特集記事がきっかけ。老いも若きも女性中心にブームになったが、いつか沈静化して落ち着いた。考えてみれば、世の中に4種の性格を持った人しかいないとすれば、いかに息苦しいことか。
▲人の性格は千差万別、実に色々である。「発言」に限って見れば、「口の軽い」人と「口の重い」がいる。他愛もない話を話し続ける人と、それを傍らで耳にしながら静かに控える人に分けられる。どちらがよいかの判定はできないが、発言の価値はタイミングと内容によって決まる。言うべき時にタイミングよく発言し、周囲も十分納得できる発言が好ましい。
▲発言するからには、しっかりと筋道を立てて、こちらの言い分を相手に伝え理解されることが大切だ。多弁になる必要はない。なまじっか口の軽さから「言わずもがな」発言になってはタイヘンだ。昔から〝口は禍のもと〟という教えもある通り、調子に乗って発言が過激になっては失笑を買うだけ。せっかく営々と築いてきた良好な人間関係の崩壊にもなる。
▲最近、パワハラ問題が話題になる。指導的立場にある人は、無意識に立場の権威(?)を振り撒いていることに留意したい。その背景には、少々道理に外れても指示に従え…といったプレッシャーをにおわせているからだ。少なくとも人の上に立つには、ある程度の風格が求められ、身に備えるべく努めたい。人間の性格を血液型4種で判別する動きはなくなる。
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