「トラック運送会社の経営は奥が深い」と話すのは、保険サービスシステムＨＤの社会保険労務士、高橋聡氏だ。「社会に出て、初めて入った会社は不動産会社。そこで経営企画部に配属され、担当したのが関連会社の引っ越しサービス会社だった。顧客に有益で、かつ運送会社も利益が出る経営をするためには、まずは運送原価を知らねばと、ご協力いただいている運送会社の社長にお金のこと、仕事のことを色々教えていただいた。最初に驚いたのは人件費。こんなにかかるのかと。でもそこで運送事業経営の魅力にすっかりはまってしまった」とし、「平成１０年に中小企業診断士の資格を取得した」と説明する。

　その後、三井住友海上火災保険の経営サポートセンターに移籍。平成14年には社会保険労務士の資格も取得し、３人でチームを組み、保険の相談を受けながら経営コンサルタントとして全国の運送会社をまわった。「２０００社を超える会社で就業規則や給与規程の改定に携わった。地域ごとに特性があって楽しかったし、運送業界の方達の一見強面だが打ち解けると真面目で温かい人柄が好きで、会って話をするのも楽しかった。出張続きで大変でしたが」と微笑む。

　その後、現在の保険サービスシステムＨＤに移り、４年目を迎えている。「保険会社では、あくまでも保険提案の付随的に、経営相談にも乗る形式。色々な制約もある。しかし、当社では経営・労務相談をメインにできるので、顧客の会社と、深いお付き合いができる。頑張っている社員に、ちゃんと給料を払ってあげたいと手当を付けすぎて単価が高くなり、トラブルに巻き込まれる社長も多い。残業代を払いたくないのではなく、支払い方がわからない。そういう社長たちを守れるようお手伝いをしたい」と熱く語る。「これからは人情だけでは渡っていけない時代。ＩＴやデジタコなど、使える機器は駆使していくことが必要。原価の考え方や、社員がやる気になる給料の出し方など、親身になって相談を受けていきたい」と話す。

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