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射界
2019年11月11日号 射界
2019年11月18日
人に失敗はつきものだ。失敗をして、そこから何を学ぶかが大切である。「過ちて改めざる、これを過ちという」「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」。両方ともに中国の古典「論語」の言葉だが、現代においても同じことが言えるだろう。自身の成長のためには「失敗は成功のもと」だ。
▲自身の失敗も大切だが、他人の失敗も大きな意味を持つ。「他山の石」(出典「詩経」)は「他人のよくない言動もそれを戒めだと考えれば、自分のためになる」という意味。他人の失敗からも学ぶことはできる。これも論語だが「過ちを見てここに仁を知る」は「他人がどのような失敗をしたかを見れば、その人物が優れた人かどうかわかる」という。
▲しかし、失敗から何も学ばず、言い訳で繕おうとする人の方が圧倒的に多い。自身の失敗を他人の責任にすることすら珍しくはない。まさに世の中は「責任転嫁」であふれているようだ。子供のころから、親や先人に「嘘つきは泥棒の始まり」と教えられてきたが、とっさに言い訳をして嘘をついてしまう。これを「過ちをかざる」(論語)という。
▲失敗をしても改めることなく、言い訳で繕う小人物のことだが、言い訳をすることと説明をすることは「似て非なる」(孟子)ものだ。社会人であれば失敗を上司に報告することも多い。自身では説明をしているつもりでも、相手にすれば言い訳でしかないことは少なくない。自身の失敗を失敗として認めること。これができなければ、「過ち」でしかない。
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