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    進化するRFID、パレット管理で実用レベルに

    2008年4月14日

     
     
     

     パレットをレンタルで共有し、一貫パレチゼーションを目指す日本パレットレンタル(東京都港区)が8日、パレットへRFIDを導入した同社の湾岸市川デポで記者見学会を開いた。
     これまで、RFIDの実証実験を繰り返してきた同社は、「ノウハウの蓄積から個体レベルで管理できる第2ステップに入った」とし、実際にRFIDで管理されたパレットの現場を紹介。その上で、同社の山崎純大社長は、「2年前には読み取りで不安定さもあったが、今はまったくない。RFID技術が、実証から確証に変わった」と自信を見せている。 


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    パレットは「自社所有」から「レンタルで共有」の流れへ
     同社の湾岸市川デポは、07年3月に開設された同社最大規模のデポで、1400坪の敷地に1100坪の倉庫が建てられている。また、プラスチックパレット専用のデポとして、これまでRFID化を含めたモデルデポとして稼働してきた。
     同社はこれまで、パレットへのRFIDの導入に実証を繰り返し、ノウハウを蓄積。山崎社長によると、「パレットは、自社所有からレンタルで共有する流れになってきている」という。
     メーカーなど146社が参加するT11型レンタルパレット共同利用推進会(P研)によると、レンタルで市場に出回っているパレットは年間約1400万枚(07年)。02年の460万枚、06年の968万枚と年々増加しており、レンタル需要の高さを示している。同社は、市場に出る年間約1400万枚のうち、半分の約700万枚を出荷している。
     流通形態の多様化でパレットの移動も複雑化し、紛失や汚損・破損の特定が難しいといったケースは日常化しており、RFIDの導入を期待するユーザーの声も高かった
     同社は「市場ニーズに応えるサービス基盤構築とRFIDに関するノウハウの蓄積」を目的としたステップ1から、「RFID導入によるパレットの個体レベルでの管理」を目的とするステップ2、「積載商品を可視化」するステップ3と、3段階に分けた技術開発を進めてきた。
     記者見学会では、ステップ2のパレットの個体レベルの管理が可能になったと説明されたが、山崎社長は「2年前は不安定さもあったが、今は確実に読み取る」と胸を張る。
     RFIDが導入されたパレットが洗浄から出荷されるまでの工程が実演され、同社Web物流機器在庫管理システム「epal」で正確に集計する様子が紹介された。
     同社は2月からRFIDの導入を開始しているが、順次拡大して当面は、年間出荷量700万枚の約1%に当たる7万枚体制で進めていく。
     まず、パレットの管理からのスタートとなるが、2010年をめどにステップ3では積載商品の個体管理を目指している。
     ステップ3では、企業間をリレーされるレンタルパレットをキーとして、サプライチェーン全体で情報を共有できるようになり、流通過程の可視化が可能になるという。
     RFID(ICタグ)が物流を変えるとの指摘もあるが、これまでは一部メーカーなどで導入があるものの、読み取りの不安定さやランニングコストの問題などで、本格導入には至っていなかった。それだけに、同社のパレットへの本格導入が、物流現場を大きく変えるきっかけになる可能性もあり、今後の取り組みが期待される。
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    記者見学会で説明する山崎社長
    ◎関連リンク→日本パレットレンタル

     
     
     
     
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