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ブログ・馬場 栄
第153回:給与体系変更の留意点(1)(公平性)
2019年7月5日
今回から、給与を変更する際に検討すべき事項や留意点、必要な手続きや実務上の注意点について実際の変更事例を元に紹介していきます。給与体系を変更する場合に検討すべき事項には、表に記載したおおむね5つの観点【図①】が必要となります。その中でも今回は「公平性」について説明します。
運送事業の給与体系における公平性とは、具体的にどのようなものを言うのでしょうか。運送事業の経営は荷主から運賃を受け取り、決められた時間に決められた荷物を安全に運ぶことで成り立っています。公平性は、荷物を安全に運ぶことで得る対価である運賃収入などをドライバーの貢献度や頑張りに応じて分配することと言えます。運賃収入との連動など、「定量的要素」だけでなく、省エネ運転や日報の記入、車両点検、洗車といった会社が求めることを、どの程度実施しているかなど、「定性的要素」を評価し、配分方法を変えていく必要があります。不公平な制度を継続しているとドライバーの不満が募り、労務トラブルや離職の原因になります。ドライバー不足の現状では、経営問題となるでしょう。具体的に、どのような制度が不公平感を募り、どのように是正することで公平な制度となるかを【図②】に表しています。
何が不公平で何が公平かは、ドライバーの年齢層や個々の会社の経営理念、経営方針による違いはあると思います。いずれにしても、給与体系が公平であることは、給与を検討する上で最も重要で、ドライバーのモチベーションの向上につながっていきます。次回は、「モチベーション」について説明していきます。
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筆者紹介
馬場 栄
保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士
年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。 -
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