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ブログ・船井総研ロジ
第38回:利益より信頼を選ぶ
2009年1月12日
いよいよ資源品の暴落が始まりました。春先と比べて30%~80%の下落幅を持ち、関係者達を慌てさせています。廃棄物及び再生資源業界にとっては急激なものとなり、急務な足元改善と中長期的な転換も迫られています。
資源物相場は、08年オリンピック、11年上海万博とした中国の好景気によって続いていくだろうと言われていましたが、世界的な金融不況の影響を直撃してしまっています。回復時期以前に下げ止まりの時期については、長期的になるとも言われています。
廃棄物処理業では、ここ数年の利益の源泉は有価物売却に掛かる部分も多かったといえます。有価物は、排出元から引き取った鉄、紙、プラに代表されるものであり、中間処理場にて分別のうえ売却となっていたものが、事業の利益となっていました。営業利益上の数値は資源売却によるものであり、その益を取り除けば赤字であったということが多く見られました。
鉄スクラップ業界では更に厳しい局面を迎えています。元来仕入れをして売却とした業態であるが故に、高騰は望ましいものではありませんでした。キャッシュフローへの心配も勿論ながら、相場リスクが拡大することをずっと危惧してきました。今回の下落によって高値で仕入れたものが、出荷も出来ずにキャッシュが忙しくなってきています。入札関係では数量確保の為の高値受注であったものや、長期的な工事などの契約では後の祭にもなっています。
本紙をお読みの排出元の方々は、先ず売却益という存在を忘れて欲しいと思います。最近は1円でも高く買うところを選ぶ企業が増えていましたが、この時期だからこそ選定基準を見直すチャンスです。長期的にお付き合いが出来る企業、様々な環境についての相談や提案がある企業を抽出して欲しいと思います。具体的には、有価物はどのようにすれば価値が上がり、またゴミは削減できるかなどを提案してくれている企業です。この時期だからこそ、真のパートナーとなれる環境提案企業を見つけていっていただきたいのです。
(株式会社船井総合研究所・貴船隆宣)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は08年12月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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筆者紹介
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本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
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