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ブログ・高橋 久美子
第437回:あなたの荷主はあなたが引き寄せた荷主です
2020年3月9日
先日、ある方の起業相談に乗っていました。これから立ち上げるビジネスの方向性を決めるために、いろんな角度からヒアリングをしました。
どんなビジネスの場合も、私が最初にお聞きすることは、いつも決まっています。
「どんなお客さんと付き合いたいか?」です。
「こういう人のためにがんばりたい!」と思えるお客さんを設定し、そこからビジネスを構築します。
運送業も同じです。お客さんにとっても、商品・サービスを提供する側にとっても、「お客さんのことが好きじゃない」ことほど不幸なことはありません。お互いに不幸です。
仕事はただでさえ、大変なことが多いのにお客さんのことが好きじゃなかったら、仕事は何倍にも辛いものになってしまいます。ですから、一番先に「お客さんの設定」をするわけです。
「そんなこと言ったって、選べるわけないじゃないか」︱︱。そんなふうに思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。選べるんですよ。
お客さんは、誰でも、あなたの発信を見て依頼するわけですから、いわば、発信者に「ふさわしい」お客さんがやってきます。
ちょっとここで、考えてみてください。あなたは、あなたが付き合いたいお客さんと取引していますか?
もし、「うーん…。実は、そうでもない」と思うようでしたら、自社の発信を見直したほうがいいかもしれません。
選べるくらいなら苦労しないと、言う人もいるかもしれませんが、実は今、あなたが取引している荷主は、全て、あなたが選んで引き寄せた荷主のはずなのです。
こんなふうに言うと、「冗談じゃない。断りたかったけど、受けるしかなかったんだよ」と、反論が返ってきそうですね。でも、反論覚悟で言いますが、そもそも、その荷主からあなたのところに依頼がきたのは、その荷主があなたの会社を「どうやら、うちと合いそうだ」と判断したからなのです。
その証拠に、あなたのところには問い合わせがきたけど、同じ営業エリアでも、その荷主から、「問い合わせがいかなかった」運送会社もあるはずです。
実は、あなたに問い合わせが入る荷主は全てが、「ここならうちと合いそう」と、思ったから、コンタクトを取ってきているのです。つまり、あなたはすでに、「こんな人は連絡してくださいね」と、発信で伝えているのです。
それでも、自分が付き合いたい荷主と、実際に依頼が入って取引する荷主とに、大きな差異があると感じている人は、何か、間違った発信をしている可能性があります。次回は具体的な発信について、一緒に考えていきましょう。
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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