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ブログ・高橋 久美子
第379回:普通の人を採用したい
2018年11月19日
ドライバー不足に悩む会社が多いですが、あなたの会社では、どんな人材を採用したいと考えていますか?
今、企業が求める人材と、求職者の価値観との間に大きな相違が出てきています。時代と共に、人々の仕事・職場に求めるものが変わってきています。ところが、それに気付かずに、昔の価値観のままで採用しようと考えている経営者が少なくないのです。
私は今、50代ですが、私たちの親の現役時代は高度成長期でした。製造業が日本経済をけん引していた時代です。この頃、企業に求められていた人材は、「遅刻や欠勤をしないで、ルールを守る人。自己主張しすぎず、周りの人と調和できる人」「上司の言うことをきく、従順な従業員」でした。
また、この頃の日本は年功序列・終身雇用が当たり前だったので、上司の言うことを聞く従順な従業員でいれば、ある程度、安泰な一生が保証されていたのです。みんなが中流意識を持っていて、性別と年代だけで、ある程度ライフスタイルや趣向をセグメントすることができました。
ちびまる子ちゃん、サザエさん、ドラえもんなど、マンガの家族設定に象徴されているように、私たちが子どもの頃は、「お金持ち」「貧乏」「普通」の3タイプの家庭があって、「勉強ができる子」「スポーツができる子」「普通の子」という3タイプの子どもがいるだけでした。離婚率も今よりずっと低く、転校生も今よりずっと少なかったのです。ちょっと乱暴な理論と思われるかもしれませんが、「一億総中流社会」という言葉通り、みんな、自分のことを「普通」だと思っていました。
ですから、この時代の価値観を持った両親や先生に教育を受けた我々は、「協調性」「ルールを守る」「勤勉」「人と違ったことをしない」ということが「いいこと」と教わってきました。
しかし、現代は多様化の時代です。目に見えるライフスタイルや趣味嗜好だけでなく、価値観や信念も、育ってきた環境も、隣の人とは異なるのです。
多様化の時代に、もしもあなたが、いまだに自分の考え方こそが「普通だ」と思っていると、人間関係もビジネスも、うまくいかなくなります。
さらには、昔の価値観を引きずったまま、「従順で、協調性のある常識的な『普通の』人材がほしい」と思って「あなた基準」で、面接をしていると、なかなか希望に合った人が見つからないということになります。もっと言うと、なぜか「変わった人しか面接に来ない」と悩むことになります。
しかし、実は「変わった人が多い」のではなく、あなた基準の「普通の人」というのが、そもそもいないということなのです。これに気づけると、面談基準が変わり、悩むこともなくなります。
この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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