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ブログ・高橋 久美子
第390回:俯瞰目線
2019年2月25日
トラック20台以下の運送会社のためのアドラー心理学について話を続けていきます。人との関わり方は、大きく分けると4パターンに分けられます。
1自分を見ている、2相手を見ている、3相手の目線の先を見ている、4俯瞰で見ている
先週までに、1〜3の関わり方について解説してきました。今日は4の「俯瞰で見ている」という関わり方について解説していきます。これは、視点を離した見方です。
相手を含め、登場人物が数人いる「現場」を、天井のほうから全体的に見るイメージです。
この視点からだと、他の人たちとの相関関係など、低い位置に視点があった時には見えにくかったものも見えてきます。
現場コーチングでは、スタッフ一人ひとりに、この「俯瞰目線」を体験させることがあります。そうすることで、「周囲の人の目線で自分を見る」ということができます。
「周囲が自分に対して〇△だ」と、不満や違和感を感じていた人が、この俯瞰目線を体験することで、「あれ? どうやら、自分の態度が、それを引き起こしていたみたいだ」と気付くこともあります。この、自分で「気づく」というのは、「もう少し言い方を変えたら?」などとアドバイスをするよりも、よっぽど効果があります。良かれと思ってアドバイスをしても、本人は「理解されていない」と感じてしまいます。しかし、俯瞰目線になることで、自分で「実感」できれば、自ら能動的にガラリと変わることができるのです。
この「俯瞰目線」を、どうやって体験してもらうのかというと、「物理的に離れる」ことが重要です。人物に見立てた椅子を置いて、椅子の配置によって人間関係を表し、それを少し離れた場所から見てもらう体験です。自分のことが客観視できる有効な方法なので、もし、現場で他社との関わりがうまくいっていないスタッフがいたときには、具体的なアドバイスをするよりも、この方法を試してみることをお勧めします。
さて、あなたは普段、どんな目線で、相手と関わってきたでしょうか。せっかく、「相手のために」という優しい思いがあっても関わり方によっては、ウザがられてしまったり、説教だと受け取られてしまう場合もあります。
「視点の違い」を認識するだけでも、だいぶ、関わり方が変わってきますので活用してみて下さいね。
この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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