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ブログ・高橋 久美子
第10回:洗車をする社長は、いい社長?悪い社長?
2009年7月29日
運送会社の経営者のあなたに質問です。
あなたは会社の車両の「洗車」をされていますか?「率先して洗車をする社長」をあなたはどう思いますか?「やっぱり社長自ら洗車する姿を見ると、ドライバーもきちんと洗車をするようになると思う」「親近感が湧く」など、いろんな意見があると思います。
しかし、私の意見はちょっと違います。
私は基本的には社長は洗車をしてはいけないと思っています。特に、思うように売上げが上がっていない会社の場合は、社長は洗車をしてはいけません。なぜかというと、それは社長の仕事ではないからです。
社長の仕事は売上げを上げる事です。今、思うように売上げが上がっていないとしたら、「どうすれば売上げが上がるのか」「どうしたら健全に経営できるのか」、それらを全力で考えることが、一番重要な社長の仕事です。
それなのに、洗車をしたり、掃除をする姿を社員に見せるのは、「社長なのにこんなことまでやっているんだから、給料が安くても許してね」という気持ちがあるからではないでしょうか。
考えてみてください。社長のあなたはいくらの役員報酬を受け取っていますか?
洗車は時給いくらの仕事だと思いますか?時給800円の方ができることをして時間を過ごすことを、自分自身で許さないでほしいのです。時給800円の方ができる「作業」に逃げないでください。身体を動かすと、仕事をやったような気持ちになれます。しかも、社員にはその姿は、机に座ったままや姿が見えない社長に比べて、「一所懸命仕事をしている社長」のように見えるかもしれません。
でも、全力で売上げを上げ、十分な給料を支給する社長であれば、たとえ1年に30分しか出社しなかったとしても、社員はあなたを心から尊敬するはずです。ドライバーは率先して洗車をするようになるのです。
「今やっているその仕事は、あなたの役員報酬の額に見合った仕事ですか?」、このように自分に質問をすると、今まで「やってはいけない仕事」を山ほどやっていたことに気付くはずです。その「やってはいけない仕事」を、今すぐ時給800円で働いてくれる方に預けてください。そしてあなたは今日から、「あなたでなければならない仕事」に専念してください。
全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表 高橋久美子
http://www.handlecover.com/kaizen/この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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