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ブログ・高橋 久美子
第19回:講演での怒りの声
2009年12月2日
「アンタは結局、自分の売り込みがしたいだけじゃないか!こんな、騙しみたいなことはやめろ!」。先日、ある地域のトラック協会での講演中、参加者の一人の方に、このように怒鳴られました。
私は、講演を行ったときは、必ずその場で次の販売につなげる行動をします。具体的に言うと、その場でお客の情報を集めます。例えば、参加者の方に利益になるものを無料で提供することを約束し、「欲しい人は送りますので、この用紙にお届け先を書いてください」と言い、住所と名前を書いてもらいます。その方たちへ、後日、更に有料のノウハウを案内していきます。先日も、いつもと同じように「欲しい人は、ここに住所と名前を書いてください」と言って、記入用紙を配りました。冒頭の言葉は、そのときに言われた言葉です。
もしあなたが、売上を上げたいと思っているのなら、よく聞いてください。まずは「売り込む」ということに、ネガティブなイメージを持つのはやめてください。あなたが本当に、他社よりも素晴らしいサービスを提供しているのなら、お客のために、できる限り売り込みをすべきです。
先日は「自分の売り込みがしたいだけじゃないか!」と、怒鳴られましたが、私は、売り込みをするのは当然だと思っています。私たち経営者は「商人」です。「行動の全てを商売につなげる」くらいの気持ちを持たなければいけません。
「良いサービスをしていたら、自分から売り込まなくても、自然にお客がくるはず」と言う方がたまにいるのですが、それは幻想です。売り込むのが辛いから、逃げているだけです。例えば飲食店で「俺の料理は本当に素晴らしいんだ!一度食べてもらえば分かるのに」と言って、毎日厨房で包丁と腕を磨いていても、あなたには、そんなことは分かりませんよね。本当に自信があるのなら、リスクをとって、自分で売り込みをすべきなのです。
例えば「化粧品会社の無料お試しサンプルプレゼント」「○○に応募すると、旅行券やお米券が当たるキャンペーン」など、これらは全て、お客のリストを集めるためにしていることです。このように、儲かっている会社は「顧客リスト」を集めることが、企業存続のためにいかに必要な行動かを知っているのです。私が講演で行っているのも、これらと同じ方法です。つまり、講演をフロントエンド商品、その他の商品をバックエンド商品として販売するということです。
この方法を「無料でお客を釣っている」と、批判する方がたまにいらっしゃいます。しかし、あなたが提供しているサービスが、本当に価値あるものなら、「無料で○○します」など、できるだけフロントの「階段」を低くして、見込み客の情報を入手すべきです。情報を入手して、更に販売し、お客にどんどん価値を提供してください。サービスを磨いて、トラックを磨いて、待っているだけでは売上は増えていきません。売上げが上がる「仕組みづくり」を考えてみてください。
全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表 高橋久美子
http://www.handlecover.com/kaizen/この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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