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ブログ・高橋 久美子
第50回:コントロールできるのは自分のことだけ
2011年2月16日
先日から、ある小さな運送会社と荷主との理不尽な主従関係についてお話してきました。しかし、この話は、決してめずらしい話ではないようです。
昨日、トラック協会からの依頼で講演だったのですが、ここでも「荷主にキツい値下げ要求をされる。断ったら、もう仕事をもらえなくなってしまう。だから、受けたくない仕事も受けてしまっている」とおっしゃる方がいました。
私も以前は小さな運送会社で営業をしていましたから、この気持ちは痛いくらいに、よくわかります。しかし、だからこそ、そんな方こそ、私がお伝えしている「荷主を獲得する方法」を一つひとつ、実践してほしいのです。
「断りたいのに、断れない」「こんな荷主と取引したくないのに、取引を続けている」。もしあなたが、先ほどの方のように「しかたなく」仕事をしているのだとしたら、よく聞いてください。「しかたがない」と愚痴っているだけでは、状況は変わりません。
「ガマンして荷主の言うことを聞いていたら、いつかおいしい仕事も回してくれるだろう」「もう少しだけ耐えれば、景気がよくなり、状況が変わるだろう」。そう言って、昨日と同じ今日を繰り返す人には、10年先も同じ現実しか訪れません。いえ、現実的には変化できない会社は、激動の時代に業界から淘汰されてしまうでしょう。
「いつか荷主がおいしい仕事を回してくれる」「いつか景気が回復して状況が変わる」、このように「自分ではコントロールできない何か」に、変化を求めても、あなたの現実は何も変わりません。「荷主」や「景気」など、あなたがコントロールできない何かに変化を期待している限り、あなたの現実は変わらないのです。 「コントロールできるのは自分の事だけだ」と知ってください。現実を変えたいのなら、今日からあなたが変わることです。あなたの行動を変えてみてください。
「売上が安定したら、いつかこんな仕事からは撤退してやろうと思っています」。そう悔しそうに言う人がいます。でも、断言しますがそう言っている限り、「いつか」は訪れません。本当に大嫌いで付き合いたくない荷主がいるのなら、まずは「その仕事から撤退する日」を決めるのです。あなたが決断するのです。「3月いっぱいでやめる」と決めて、その分の仕事を今日から探します。荷主を獲得する行動を、今日から、最優先していきます。3か月、120%のエネルギーをそこに注ぐことができれば、3か月後のあなたの現実は、確実に変化しているはずです。
今日は、ちょっと厳しい話をしました。「そうは言っても、現実は・・・」と、思う方もいるかもしれません。もちろん私も、あなただけに「変われ」「がんばれ」と言うつもりはありません。ですから、この現実を受けて私もある覚悟をしました。
全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表 高橋久美子
http://www.handlecover.com/kaizen/この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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