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ブログ・高橋 久美子
第112回:今後一切運賃を下げない
2012年4月17日
「お客のためにより安く」と言って、死者を出してしまった焼肉店。「荷主のために運賃を安く」と言って、法定福利費や車両整備にかかる費用を削る運送会社。どちらも「お客のため」「荷主のため」に「安くすること」こそが、最高のいいことだと思ってしまっていたのです。
しかし、一歩間違えば、会社の存続そのものができなくなります。「お客のため」と言いながら、倒産してしまっては本末転倒です。
ここで、あなたに覚えておいてほしいことがあります。どんな業態であっても、どんなビジネスであっても、スモールビジネスの場合は「安くしないこと」が鉄則だということです。焼肉店でも、運送会社でも同じです。理由は、先週までお話してきたとおりです。
経営資源量が少ない中小では、そもそも「安くする」こと自体に、無理があるのです。削ってはならない経費を削らないかぎり、大手と競争できる価格提示ができないのです。
「高橋さん、理屈は分かるよ。でも、そうは言っても、うちみたいに小さな会社は、安くなかったら使ってもらえないんだよ」、そう言いたくなるあなたの気持ちも、分かります。
しかし、よく聞いてください。私は、トラック20台以下の運送会社が、適正運賃で荷主を獲得する方法をお伝えしています。私がお伝えする方法を実践し、売上げを上げている実践者の大半が、トラック20台以下の運送会社の経営者です。実践者たちは、決して安い運賃で契約することはありません。その証拠に、トラック所有台数5台の会社でも、ドライバー全員にしっかり社会保険をかけ、完璧な車両整備をしています。
なにも、自慢がしたくて言っている訳ではありません。まずは、あなたに、トラック20台以下の運送会社でも、「運賃を下げずに荷主を獲得できる」という事実を、知ってほしいのです。もちろん、あなたにもできます。まずはあなた自身が、「運賃を下げずに荷主を獲得できる」と、信じてください。そして、あなたの会社の存続のために、今後一切、「運賃を下げない」と決めてください。
さて、「運賃を下げない」と決めると、どんなことが起こるでしょうか?
全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表 高橋久美子
http://www.handlecover.com/kaizen/この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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