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ブログ・高橋 久美子
第125回:兄貴のような社長
2012年7月24日
これからお話しすることは実話です。私のクライアントさんの話ですが、あなたの生涯年収に大きく関わってくる話です。
彼の名前を仮に山田さんとします。現在33歳、運送会社の創業社長です。マーケティングを学び実践して、短期間で大きな成果を上げています。会社の売り上げだけでなく、山田さん自身の年収も以前に比べると2倍近くになりました。
学び始めたのは2年ほど前からです。その頃、燃料価格の高騰で会社に利益が残らなくなっていました。なんとか利益を確保するためには今までの格安運賃での取引をやめ、適正運賃で取引してくれる荷主を獲得しなければなりません。会社に利益を計上できる取引を獲得するため、マーケティングを真剣に学び始めました。飲みに行くのもやめ、テレビを見るのもやめて、使える時間の全てを勉強と実践に費やしました。
それまでの山田さんは、従業員と共に過ごす時間を大切にしていました。休みの前日は一緒に焼肉屋に行って、深夜まで親身になって、みんなの話を聞いていました。休日も一緒にパチンコに行っていました。配送から帰ってくるドライバーを毎日必ず事務所で迎え、一緒に洗車をしながら、いろんな話をしていました。社長というよりは、面倒見の良い兄貴的な存在で、従業員に慕われていました。
しかし、今までと同じことをしていては学ぶ時間も実践する時間も確保できません。いえ、時間というよりも、「頭」が取られてしまうのです。ドライバーの悩みを真剣に聞いてあげながら、経営のことを考えることはできません。
「今は、売り上げを上げることが最優先だ。それができなければ、会社を存続すること自体ができないのだから」と決意し、今までのライフスタイルを捨て、24時間365日、会社の経営のことだけに集中するようにしたのです。
ところが、山田さんが真剣になればなるほど、新たな問題が発生するようになりました。それは、従業員の問題です。
全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表 高橋久美子
http://www.handlecover.com/kaizen/この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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