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ブログ・高橋 久美子
第140回:中小にこそ勝算が
2012年11月6日
「高橋さん、うちはトラック20台の運送会社だから日本経済は関係ないよ。高橋さんは、トラック20台以下の運送会社の経営改善をするコンサルタントでしょ。だったらもっと現実的なノウハウを教えてよ」
このところ、経済成長がどうのこうのという話ばかりしてきたので、もしかしたら、こんな風に思っている人もいるかもしれません。でも、安心して下さいね。私は、無駄が大嫌いです。ひょっとすると一見、トラック20台以下の運送会社の売り上げとは関係ない話に見えることもお話ししていくかもしれません。しかし、このコーナーでは、あなたの会社の売り上げに関係のない話や、耳に心地良い、いわゆる「いい話」なども一切するつもりがありませんので、安心して聞いて下さい。
さて、ゼロ成長期の現代には、高度成長期と同じ戦略で成功することはできません。「大きいことは良いことだ」と言って、トラックを増やしたり、ドライバーを増やしていく拡大戦略は、我々中小の運送会社がとるべき戦略ではないのです。
と言っても、勘違いしないでください。「大きくしない」ということは、決して「売り上げを大きくしない」ということではありません。もちろん、売り上げは大きくしていきます。
では、何を大きくしないのか? 簡単に言うと、なるべく所帯は大きくしないで、売り上げを上げていくということです。全てのライフサイクルが短くなっている現代では、所帯を大きくすることはリスクになります。今日、すごく儲かっているビジネスがあったとしても、同じ方法が来年も通用するとは限りません。時代の変化に適応して、すぐにビジネスの方向を変えることができるよう、所帯を小さくしておくほうが有利なのです。
ここまでの話を聞いてきて、勘の良いあなたは、もう気づいているかもしれませんが、時代の変化に適応できる柔軟な考え方さえ身につけることができれば、実は、「我々中小の企業にこそ勝算のある時代だ」ということにもなるのです。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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