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  • ブログ・高橋 久美子

    第195回:お客の立場で考えるターゲティングとは

    2013年12月1日

     
     
     

     先週から【事例2】小さな引越業を経営しているAさんの戦略について話をしています。営業エリアは都心部ではなく郊外です。Aさんの会社で所有している車両は1トン以下の小さな車両です。Aさんは、なかなか引っ越しの依頼を獲得できないので顧客層の絞り込みをすることにしました。
     「最近は、女性が自立して、単身引っ越しが増えている」「自社では大きな車両はないので、大家族の引っ越しは請け負うことが難しい」。このことからAさんは、「単身女性専用の引っ越し」を獲得したいと考えました。さて、この考え方に勝算はあるでしょうか?


     顧客層を絞り込むことを「ターゲティング」といいます。ターゲティングすることでマーケティングを効率的に行えるようになります。ですから、経営資源量の少ない我々中小にとってターゲティングはとても有効な手段です。
     しかし、「単身女性」というターゲティングが、はたしてAさんのビジネスに適した絞り込みになっているかどうか? これが問題です。それではここで、あなたも実際にAさんのお客になったつもりで想像してみてください。
     あなたは、自立した34歳の独身女性です。仕事の都合で新しいマンションに単身転居することになったので引越業者を探すことにしました。さて、どうやって業者選定をしますか? 【注】ここで重要なのは「自立した30代の女性になりきって考える」ということです。
     そうなると、おそらく「インターネットで探す」と答える人が圧倒的に多いのではないでしょうか。Aさんがターゲットにしようとしている「自立した30代の単身女性」は、ネットでの情報収集がとても得意な人たちです。リサーチ力も高いです。引っ越しを考えたら、まずはインターネットの「一括見積もりサイト」で見積もりをかける可能性が高いです。
     しかも、独身女性の単身引っ越しです。引越業者に依頼するということは、「私は、ここで、女性の一人暮らしを始めます」と、宣言するようなものです。そう考えると、いくらAさんが誠実そうな社長だったとしても、見知らぬ運送会社にお願いするのは、「怖い」と感じるのではないでしょうか。テレビでCMをしている、聞いたことのある社名の、大手の引越業者に頼んでおいた方が安心だと感じるのではないでしょうか。このように、お客の立場になって考えてみると、この戦略は難しそうだということがわかってきました。
     それでは、Aさんのような小さな引越業の場合は、一体、どんな戦略を立てるべきでしょうか? 来週は続きを考えましょう。

     
     
     
     

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    高橋 久美子

    あなたの会社が儲かっていない本当の理由
    規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。

    全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会

     
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