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ブログ・高橋 久美子
第212回:時代と人々の価値観の変化
2014年3月31日
前回は、日本の経済成長率の推移と、それによって運送業がどう変化してきたかを見てきました。
今回は少し角度を変えて、時代の変化とともに「人々の価値観」がどう変化してきたのかを見てみましょう。人々の価値観の変化を見ることで、我々、中小企業がこれからの時代に生き残るために何をすればいいのかが明確に見えてきます。
1950年代後半、白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫の家電3品目が『三種の神器』として喧伝されます。1960年代半ば、いざなぎ景気時代には、『3C』として、カラーテレビ・クーラー・自動車が普及します。もちろん、これらの製品を作るための工場が必要で、工場で作った製品は流通させる必要があり、全国でトラックが引っ張りだこでした。
この時代に人々が価値を感じていた対象は、「物」です。「物」を購入できることが、幸せな家庭の象徴でもありました。「物を所有すること」に価値が置かれていたのです。この頃のキーワードは、あのチョコレートのCM、「大きい事はいい事だ~!」これに象徴されていると言っていいでしょう。
この時代、中小企業のすべき事は何だったのかというと、ずばり「商品の陳列」と「商品の簡単な説明」です。この時代にはインターネットなどはありませんから、とにかく、お客の目に見える場所に「陳列」すること。そして同じ商品の種類も多くありませんから、商品説明は簡単でOKでした。店員さんが接客をそっちのけでお店の商品のテレビに見入っていても、クレームが入ることもありませんでした。
物がなかった時代は、みんなが「物」を欲しがり、物に価値を感じていました。このように物が重要な時代は物を購入する側よりも、物を提供する側の方が優位な立場にあったのです。しかし、物が行きわたり始めると、人々の価値観は、別の方向へシフトし始めます。すると、中小企業がすべきことも少しずつ変化してきます。
次回は、もう少し現代に近づいて、市場を分析してみましょう。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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