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ブログ・高橋 久美子
第224回:男のプライド「家庭内序列」
2014年6月23日
先日、ある大学の心理学の教授に、とても興味深い話を聞きました。まさに運送業界に当てはまる話だと思ったのでシェアしたいと思います。
同族経営家庭における「男性の家庭内年功序列」についてです。多くの同族経営家庭で、男性には「年功序列制度」があるというのです。父親は、息子のことを認めるわけにはいきません。負けを認めたときは、引退を決めたときです。
息子がどれだけ優秀で、素晴らしい実績を出し、心の中で「負けた」と思っても、それを口にすることはできないのです。実際は、死ぬまで認めないケースが圧倒的に多いそうです。「男のプライド」というやつです。
実は、サルの社会でもオスの場合は同じ現象がみられるそうです。ひょっとしたら、この話を聞いて「納得!」と叫んでくれる人もいるかもしれません。
私のところで学んでくれているメンバーは、40代が多いのですが、その半数が後継者です。そして、多くの後継者は「先代が自分のことを認めてくれない」という悩みを抱えています。「いくら結果を出しても、先代は自分のことを認めてくれない。先代に俺の実力を認めさせたい」と思っている人が本当に多いのです。
しかし、「家庭内年功序列」の原理から言うと「認めさせる」というのは叶わぬ夢です。父親に「認めさせる」「参った、と言わせる」という目標を持つと、あなた自身が苦しくなってしまいます。いえ、少し言い換えましょう。先代は、あなたの事をとっくに認めています。認めていても「お前は、まだまだだな」と言い続けます。これからも引退するまで言い続けなければならないのです。
ですから、あなたが後継者の場合には、父親に認められることではなく、自分が納得できる仕事をすることにフォーカスすることをお勧めします。
ただ、先代が認めてくれないことを、どうしてもガマンできない場合や、あなたの心の根底に、後を継ぐこと自体への不満があるという場合は、あなた自身が「その土俵から出る」というのも、一つの道かもしれません。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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