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ブログ・高橋 久美子
第235回:時間を「積み重ねるもの」にする
2014年9月8日
私の会社では現在、積極的に求人をかけています。10代から60代まで多数の応募がありますが、最近は40代の求職者が多くなっています。今まで一般事務をしてきた人や別業種のコンサル業に携わってきた人など、経歴はさまざま。応募の理由を聞いてみると、「今までの経験を生かしたい」と言う人が多いです。
しかし、「具体的に、どんな経験を、どのように生かしたいのですか?」と聞くと、ほとんどの人が、返事に困ってしまいます。経験はしてきたけれど、経験時間が流れていっただけで「積み重ね」ができていないのです。この話は求職者に限ったことではなく、我々、経営者にも重要な話なので、よく聞いて下さいね。「○○年間、××をやってきました」と言っても、ただ、『やってきた』というだけでは、それは資産になりません。
例えば「30年間、毎日、ワインを飲み続けました」。これだけでは、「あ、そう。ずいぶん好きなんですね」で、終わりです。しかし「30年間毎日、ワインを飲み続け、ラベルをストックして、ワインの解説と、味覚についてコメントを書きためました」となればどうでしょう。さらに、この膨大なワインの情報を年代・産地・味覚・合う料理別に分類すると、価値ある情報に変わります。ひょっとしたら出版社の目にとまり、出版の可能性が広がるかもしれません。
身近な例で考えてみましょう。例えば、「管理職経験が10年」。これだけでは、「ご苦労さまでした」としか、言いようがありません。しかし、その中で経験したことを「体系化」できれば、それは価値ある情報になります。そしてさらに、その情報が「再現性の高いもの」、つまり、あなただけでなく、「他の誰がやっても同じ効果が期待できるもの」になると、同じ悩みを持つ誰かを救える、さらに価値の高い情報となるわけです。こうなると、お金を払ってでも、「その情報を教えてほしい!」という人が現れます。すなわち、「ビジネスとして成立する可能性が高い」というわけです。
ただ毎日の時間を、「流れていくもの」ではなく、「積み重ねるもの」にするよう心がけてみて下さい。そうすると、時間が経ったときに、自分の中に、多くの資産が構築できていることに気づきます。その資産は、決して誰にも奪われることのない資産です。しかも、現代は、その資産を現金化するのが容易な時代です。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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