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ブログ・高橋 久美子
第274回:セールスレター書き方講座(18)
2015年6月8日
「英雄神話の法則」にもとづいて自己開示することで、レターを読んでくれた相手との距離を縮めることができます。「英雄神話の法則」は、「未熟な主人公」→「自らは望まない何かに巻き込まれる」→「メンターに出会う」→「試練を乗り越える」→「成長して報酬を手にする」のステップで描かれます。
さて、ここでキーワードになるのは、第1ステップの「未熟な」主人公という点です。 物語の始まりでは主人公は「未熟」でなければなりません。弱虫だったり、貧乏だったり、どの物語でも最初は主人公の未熟さ、ダメなところ、弱さが描かれます。 その未熟な主人公が、試練を乗り越え、成長していく姿が私たちの心をとらえるのです。考えてもみて下さい。ロッキーが、お金持ちで有名トレーナーのいるジムのボクサーだったら、キャンディキャンディが、鼻ペチャじゃなく絶世の美女で、お金持ちのお嬢様だったら、あしたのジョーが優等生だったら、私たちの心に、これほどまでに魅力的にうつらないのではないでしょうか。
つまり、最初から優秀だったり、恵まれた状況にいる人が、さらに勝利を手にする物語なんて、読み手は全くおもしろくないわけです。最初はダメな方がいいのです。ダメだったのが、試練を乗り越え、成長して報酬を手にするからこそ人々の心を魅了します。
ここで注意してほしいのは、あくまでも「未熟なところ」「カッコ悪いところ」をしっかりと開示する、ということです。ところが多くの人は、自分がいかに優秀か、自社はどんなに素晴らしい会社なのかばかりを語りたくなってしまいます。自分の過去のカッコ悪いところを開示したくありません。しかし人は、他人の「自慢話」は聞きたくありません。自分と共通項のある、ダメな主人公の「成長物語」なら聞く気になれるのです。
ぜひ、あなたも思い切って開示してみて下さい。あなたが荷主を信じ、あなたの言いたくない人間的な側面を開示してセールスレターに書くことで、あなたのストーリーに共感した人、あなたと会ってみたいと思ってくれた人から電話が入ります。
「まずは見積もりをお願いしたいんだけど」という電話とはまったく違います。ここではもう運賃交渉は存在しません。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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