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ブログ・高橋 久美子
第298回:あなたの会社の広告宣伝費はいくら?
2015年11月23日
あなたの会社の毎月の広告宣伝費はいくらですか? このように質問すると、次のような答えが返ってきます。
「広告? 何言ってるの、高橋さん。うちは小さい運送会社だよ。大手宅配便や引っ越し会社じゃあるまいし、広告なんてするわけないじゃない。月にかけてる広告費といったら、求人広告くらいだよ」
「広告宣伝」と聞くと、この人のように、テレビCMなどを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、中小運送会社の経理で広告宣伝費とは「会社などを、広く一般に売り込むための広告や宣伝にかかる費用」のことを言います。
セールスレターの制作・発送にかかる経費や、インターネット広告にかかる経費、名刺の制作費なども広告宣伝費に計上されます。異業種と比較して、この広告宣伝費が極端に少ないのが運送業の大きな特徴といわれています。
美容院でも、飲食店でも、工務店でも、広告費は必須の経費です。確かに、BtoBの場合は、BtoCのビジネスに比べると、広告費が少ない業種が多いのですが、その代わりに営業マンの人件費が発生します。
広告宣伝費がほぼかかっていないにもかかわらず、専属の営業マンを雇用しているわけでもない。これが、我々運送業の特徴でした。なぜなら、一度契約してしまえば、継続的に取引が続いたからです。そこから、さらに紹介までもらえるのが過去の運送業の常識だったからです。ですから、広告宣伝をする必要もなければ、営業マンを雇う必要もありませんでした。まじめに仕事をしてさえいれば、仕事が減る心配がなかったのです。
ところが時代が変わりました。今は、誠実に仕事をしていても、継続的に取引が続くとは限らなくなりました。経済成長がストップした日本では、荷主の経営事情によって、突然、仕事が打ち切られることもあります。また、昔は、荷主企業が自社の荷物を運んでくれる運送会社を探すことが難しかったのですが、インターネットの普及により、今では簡単に、運送会社の詳しい情報を入手することができます。その結果、ライバルと比較され、値下げの話を持ち出されることもあるというわけです。
ですからこれからは、経営資源量が少ない中小の運送会社こそ、効率よく広告宣伝活動を行っていく必要があるのです。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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