-
ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(295)人材育成について(9)事例(2)
2020年7月6日
「自分にもできることがあったんだ。よし減量しよう」とA君は決意した。最初のうちは早朝のジョギングは続かなかった。三日坊主なのだ。
工場長はA君に言った。「投げ出したらダメだよ。減量の目標をまず5㌔㌘に置いてコツコツやってごらん」
A君はついに5㌔㌘の減量に成功した。「よくやったね。やればできるじゃないか」。工場長に褒められてますます自信をふかめて、26歳になった時は10㌔㌘の減量に成功していた。この自信回復は仕事面にいい影響をもたらした。A君は自ら進んで小集団活動のリーダーになった。今までは小集団活動にも全くやる気を示さなかったのに、減量の成功が前向きにさせた。
朝も30分早く出社する。小ミーティングの司会もする。ソフトボール大会にも出る。小集団活動発表大会では、A君のグループは優秀賞を獲得した。こうして、ノロマのA君は変わっていった。
新工場長という名コーチの出現で、眠っていた自発性が呼び覚まされたのだ。減量の成功、小集団活動のリーダーとしての成功、これらの積み重ねが成長のエネルギーとなったのだ。今までのA君は何をやっても失敗ばかりで内心深く、「自分はダメだ」と思い込み、いわばそうした自分を守るために、無気力になっていた。目標をもってもできないので、はじめからもたないわけだ。
この敗北主義を転換させたプロセスが減量や、小集団活動であった。どんなささいなことでも、できるという実感を積み重ねていくと、次第に自信もついてきて、働く喜びを感じる。成功体験の積み重ねは大切である。
(つづく)
-
-
-
-
筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
「ブログ・川﨑 依邦」の 月別記事一覧
-
「ブログ・川﨑 依邦」の新着記事
-
物流メルマガ