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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(343)小集団活動のすすめ方(5)―2

    2021年7月19日New!!

     
     
     

    こうした活動の前提として、工場長と働く一人ひとりの信頼感がある。この信頼感の形成は一朝一夕でなるものではない。工場長は、みんなの朝のコーヒーを自分で用意している。トイレの掃除は自分の役割としてやっている。作業服は「会社の顔や」といって独身者の分は自ら洗っている。

     

    「工場長というよりは、小使いさんみたいですな」

    しかし、工場長はワンマンである。このワンマンをみんなが許しているのも、この〝みんなの小使い〟姿勢があるからだ。言うまでもなく、この工場は利益が上がりすぎている。生産性がすこぶる高いのだ。特に優秀な最新鋭の印刷機械を揃えているわけではない。それでも生産性が高いのは、信頼をベースとした人の能力向上を目指す小集団活動が寄与している。

    このリーダーである工場長は、大学は出ていないけれど人の心を掴むことにかけては一流である。儲かりすぎて忙しい毎日である。したがって、平均2時間の残業が続いている。工場長はこの状態を改善しようとしている。これも一人ひとりの能力向上という小集団テーマに関係するからだ。

    「ゆとりを持てとやかましく言っています。わたしはワンマンですから、あんまり遅くなりそうだと、みんなのタイムカードを押すんですわ。そうするとみんなも仕方なく早く帰ろうとするでしょう」

    みんなのタイムカードを押すとは強引な方法であるが、それで文句が出ないのも〝みんなの小使い〟に徹している面があるからだ。

    こうした小集団活動を実践する上で、工場長は夢というか、ビジョンを従業員に提示している。一つは、働く一人ひとりは、必ず家を持とうということである。持家のために社長と話し合って制度化している。

    二つ目として50年、100年単位でモノを考えようということである。自分が定年になったら後は、野となれ山となれではなく、会社、工場の永続性を考えて、誇りを持っていこうというわけである。その一つとして、工場長が自ら大学を出てほかへ就職していた息子を「必ずこっちの方がいい。幸せになる道はこっちだ」といって入社させている。自分の工場へ賭けたビジョンを息子へと引き継がんとしているわけだ。社長と工場長は赤の他人である。働くものの一人として工場長は、みんなに50年、100年単位でものを考えることをアピールしている。

    三つ目として現在は、仕事の内容として繊維業界100%であるが、この状態を脱して新規市場分野を開拓していこうという夢である。      (つづく)

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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