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  • ブログ・川﨑 依邦

    一人でも入れる労働組合がやってきた(2)俺の情けを忘れたのか

    2011年6月24日

     
     
     

     労働組合加入通知書は次の通りである。



     「今般、貴社の従業員が○○分会に加入し、当組合に所属されましたので、ここにご通知申し上げます。労働者が労働組合に加入することは法律によって保護されています。すなわち、憲法28条では『勤労者の団結する権利および団体交渉、その他の団体行動をする権利はこれを保護する』。
     さらに、労働組合法の第7条では、

    『1・労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入もしくはこれを結成しようとしたこと、もしくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもってその労働者を排除し、その他これに対して不利益な取り扱いをすること、または労働者が労働組合に加入せず、もしくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。

    2・使用者が雇用する労働者と団体交渉することを正当な理由なく拒むこと。

    3・労働者が労働組合を結成しもしくは運営することを支配し、もしくはこれに介入すること』—-を不当労働行為として禁止しています」

     A社長は目を凝らして読むが頭に入らない。正直言って、今まで運送業を経営していて日本国憲法のことを意識したことはない。「日本国憲法第28条とは何のことかいな」というのが率直な思いである。

     A社は荷主の度重なる運賃値引きにも耐えてきた。荷主の要請にも必死になってついてきた。1か月の拘束時間は、長距離だと多いものでは月400時間を超える。「運送屋をやっている以上、長い時間は当たり前や。必死になって働いてやっと飯が食えているのが運送屋である」。A社長は常日ごろ、「飯を食うには働くしかないんや」とドライバーに言い続けてきている。

     じっと労働組合に入った自社のメンバーを見る。○○はサラ金に追われて、それこそ携帯電話も持てなかった男である。そこをわざわざ金を貸して救ったのがA社長である。別の○○は、ついこの前、車両事故を起こしたばかりである。会社の損害額100万円について、温情をかけて10万円の個人負担にしてやった男である。また、別の○○は奥さんと別れて一人になり、住む家もないというので金を貸してやった男である。さらに別の○○はクレーム・トラブルの多い男で、残りの一人は60歳を超えている。

     「なぜだ」とA社長はうめく。「俺に刃向かうとは何事だ。俺の情けを忘れたのか。何たることか」と怒りにうち震えてくるA社長。しかも「労働組合法第7条の不当労働行為とは一体、何のことか」。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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