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ブログ・川﨑 依邦
中小運送会社の経営改善の記録(13)給与改革の手順
2012年9月28日
給与改革の手順は給与シミュレーションから着手する。手順は次の通りである。
?現状の運送収入をつかむ。過去1年分とする。車種別と個人別に把握する?個人の給与総支給額を1年分把握する?個人ごとに燃料費、修繕代(タイヤ代を含む)、有料代を把握する?個人が使用する車両費(償却費、税、保険料)を算出する。?ー?ー?=Aとし、?給与総支給額と比較する。A>?が普通である。Aー?を会社の取り分=Bとする。B÷運送収入=一般管理費率(会社の取り分)とする。
ところがプレジャーの場合はA>?ではなく、A<?となる。運送収入と比べて車両費がかかり過ぎていて、A<?となる。これでは会社の取り分はない。実際、自車収支は赤字である。運送収入に占める給与額が高いからである。そこで?ー?ー?=Aと給与支給額×90%=Cを比較する。さらに?の車両費をそのまま実額とせず、社内ルール上の車両費とする。?の中から修繕費(タイヤ代)を取り出して車両費プラス修繕費(タイヤ代含む)を社内ルール化する。大型ダンプの場合は車両費+修繕費(タイヤ代含む)は同一額とする。古い車は修繕費がかかるが、新しい車はかからない。そこで同一額とする。
その上で、?ー?(修繕費、タイヤ代を除く)ー?車両費(会社ルール)=DとC(現行給与×0.9)を比較する。DーC=Eが会社の取り分とする。E÷運送収入=新しい一般管理費率である。給与原資は?ー?(燃料代、有料代)ー?車両費(会社ルール)ー(運送収入×新しい一般管理費率)=給与原資となる。?の車両費(会社ルール)は1年で実額と精算する。?ー実額がプラスになると節約した額を年末賞与として支給する。?ー実額がマイナスとなるとその分、年末賞与で査定し、減額する。
このルールを完全実行するために決算期を10月とし、11〜10月分の実額と車両費社内ルールを査定する。12月(年末)賞与へと連動させる。給与原資を基に給与体系は基本給と運行時間外手当=会社割増賃金とする。基本給はあらかじめ基本給ランク表によって決まる。運行時間外手当は給与原資ー基本給となる。法所定の時間外手当は運行時間外手当に含む。運行時間外手当は歩合給でも裁量労働手当でもない。あくまでも会社割増賃金である。その上で激変緩和措置として6か月間(11〜4月)は旧給与の90%を保証する。5月以降は基本給+運行時間外手当の1日当たりの最低保証額を設定する。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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