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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(4)銀行交渉のスタート

    2013年4月19日

     
     
     

     銀行借入金は5000万円ある。年商8000万円で借入金5000万円はキツい。月々の返済額は約60万円。まずリスケに着手することである。



     リスケとは借入金返済の条件を変更することである。A社のB/Sは債務超過、P/Lは経常利益マイナス(赤字)。これでは今後、銀行借り入れはできない。A社長は良く言えばまじめ、バカ正直そのものである。会社の経営が苦しいからといって役員報酬をゼロにして、その分、せっせと銀行に借入金を返済している。10人のドライバーの生活を守って必死になって働いている。「社長、すぐさま銀行に行って借入金の返済は待ってもらいましょう。金利だけにしてもらう交渉をするのです」。筆者の助言である。

     A社長いわく「そんなことはできるのでしょうか」。できるもできないも、やるしかない。A社長には自信を持ってもらいたい。10人の正社員を雇用していることそのものが立派である。会社がもし立ちいかなくなり、10人の正社員が路頭に迷うことは避けるべきで、真摯に銀行交渉することである。「A社長、早急に経営改善計画を作成します。その上で取引銀行に行きましょう」。

     それにしてもA社長の生き方は考え込まされる。借入金5000万円の使い道は運転資金である。セーフティネットの制度融資で100%保証協会が保証している。銀行には何のリスクもないにも関わらず、金利は2%である。A社長には後継者はいない。天涯孤独で一人で生活している。住まいは借家で、既に自己資金3000万円を投入している。自己財産もない。「A社長、何も恐れることはありません。無一文ほど強いものはないのです」。万一、会社がバンザイしてもA社長から取れるものはない。ここは強気で経営再生に賭けていく。

     A社長は経営者というより、ボランティア活動家のようだ。「いつやめてもいいのですが、残されたドライバーのことを考えると踏ん切りがつかないのです」。このような中小企業の経営者もいるのである。筆者の経営コンサルティングの現場ではしばしば遭遇する。A社も創業して30年、よくぞここまで1人で頑張ってきたものだ。いよいよ銀行交渉である。そのために「経営改善計画」の作成に取り掛かる。(つづく)

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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