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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(7)経営改善に向けた努力目標

    2013年5月17日

     
     
     

     経営改善計画書の内容の例を紹介する。



     1.経営改善に向けた今後の努力目標(基本方針)

     ?事業内容
     柱上変圧器をはじめとする変圧器や、それらを設置するために使用する精密機械を運搬する事業を行っている。4トン平ボディー車7台、10トン平ボディー車2台、4トンウイング車1台、10トンウイング車1台、計11台のトラックを稼働させて事業運営。

     ?沿革
     昭和○年に設立し、電信柱に設置する変圧器の運搬一筋で30年間に渡って事業運営してきた。荷主の経営状況の悪化から、輸送部門へのコストカットの波が押し寄せ、現行運賃から3%ダウンを余儀なくされ、輸送量そのものも減少していく中で当社の経営状況も悪化。3期連続で債務超過。

     ?主要荷主・取引先
     ▲▲株式会社が唯一無二の主要直荷主。

     ?業績悪化原因
     大要因…営業力不足。主要荷主1社に依存、荷主の景気に左右され、運賃値下げ=収益悪化に直結。

     輸送効率アップのために積み合わせ配車の営業努力が不十分だった。主要荷主の御用聞き配車になってしまい、トラック1台あたりの利益を最大限に高めるための組み合わせがうまく機能しなかった。

     売り上げ低下で人件費率の割合が大きくなってしまった。一部固定月給のドライバーがおり、売り上げに占める人件費の割合が50%以上を突破。新規営業先の獲得に向けた動きも不足し、走れば走るほど赤字になるという悪循環に陥ってしまった。

     資金繰り圧迫で、役員個人からの借り入れが発生。給与を月に2回に分けて支払うなどの前払い処置を恒常的に実施してきたことにより、支払い過多となり毎月の資金繰りに窮するようになった。役員個人からの借り入れ総額は2000万円を超え、財務状況は債務超過に。銀行交渉すら出来ない状態。今期○月決算で繰り越し欠損として2000万円を計上。総額赤字は4000万円で大幅な債務超過になっている。

     これまでの会社の状況を振り返る。業績悪化の真因は経営マネジメントの実行力不足である。経営マネジメントとは営業努力、コミュニケーションを良くする努力、経営数字をしっかりと捕まえていく努力のことである。 

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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