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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(18)面接、入社時の確認と教育
2013年8月2日
物流品質向上は入社時の教育とメリハリをつけること、言い換えれば賞罰制度の確立がポイントとなる。
◆入社時の教育事例
このところ、運賃低下で経営が厳しい。そのため賃金水準が上昇していない。上昇どころか低下している。そのせいか乗務員に応募する者のポテンシャルが低く、やる気の感じられない者が目立っている。「することがないからハンドルでも握るか」といった応募動機の乗務員である。そこで誓約シートを活用する。入社にあたって誓約シートを読み上げて「はい」「いいえ」で確認し、すべて「はい」と誓約しなければならない。その上で誓約書・身元保証書を提出させる。こうした手順の狙いはどこにあるか。誓約シートは基本動作を確認している。あいさつ・服装・マナーの確認である。さらに安全面、健康面で念を押している。実際に「はい」と誓約するプロセスが入社時の教育の?初めの第一歩?で、運転免許証さえあれば何とかなると思っていることに意識変革を迫っていく。
労務トラブルの大半は会社側の説明不足にある。解雇問題でも、会社側がキチンと説明していれば、ここまで揉めなくてもよかったのにと思われるケースが多い。例えば、あいさつもできない。クレームが多発する。事故を繰り返す。このような質の悪いドライバーを解雇しようとすると、誓約シートの活用がポイントとなる。その上で誓約書・身元保証書がものをいう。労務トラブルの一つである事故ペナルティについても誓約書・身元保証書によって、特殊なケースは別として大半は揉めることはない。「私は当社の事故ペナルティ制度に同意し、万一事故を起こした時は制度に従います」と誓約しているからである。特殊なケースとは裁判にまで発展するような労使激突のことだ。
誓約シートと身元保証書のフォームは次回紹介する。労務トラブルリスクを回避するには?初めの第一歩?がいる。入社前に教育することである。正式入社する前に現場見学をさせる。ちゃんと仕事ができるかのイメージを入社前に持ってもらうことである。一方、会社としてもこのドライバーは大丈夫かどうかの感触をつかんだ上で、誓約シートで確認する。身元保証書は「御社に損害を与えた時は連帯して賠償の責に任じます」と明記する。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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