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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(104)経営活性化シリーズ53
2016年4月1日
(53)全員参画営業を実施する
業績が悪化する中小運送企業の特徴として、営業不足、人員不足による休車(全体の2割)、売り上げ低下に直面する、の3点がある。どれか1点でも欠けると、そこから業績悪化の波が押し寄せてくる。一事が万事である。「休車している状態ではドライバーの採用もなかなか難しいし、営業しても対応できる車がいない」と負のスパイラルに陥ることも多い。何を優先させるかは、やはり初心に帰って地道な営業活動を展開することである。ドライバーがいなくて、経営者、管理者が自ら現場へINすることに意味がないとは言わない。その中から、なぜ自社にドライバーが不足しているのかの原因を考え、見つけ出すことが必要である。「なぜ、この運行にドライバーが集まらないのか? 給料? 時間? 内容? など」と考えることである。その上で、打てる対策を講じていく。新規開拓してドライバーの配置転換や入れ替えを行うなど、状況を打開していく動きを取る。
この状況を打開していく動きが、ズバリ【営業する!】ということである。車両もないので営業しても意味がない。ではなく、中小運送業は常に営業のアンテナを張っておくことが必要である。
営業力に磨きがかかると、色んなことに対してのアイディアが湧いてくる。(どうすればこの仕事に対応できるか? あの仕事と組み合わせできないか? など)お客様に迷惑をかけることは、短期的には車に穴を空けることだと思われるが、長期的視線に立ちながら営業力を継続持続し、周りも巻き込んで全社的な営業力を磨いていくことが、経営者・管理者のマネジメントである。
何を営業すべきか分からない、漠然としてイメージが湧かない。そんな場合は、過去の取引実績を掘り起こしてみたり、自社の強みは何かを整理して、自社の強みが生かせる取引先に思い切ってアプローチしていくことが必要である。勇気をもって一歩前に踏み出すことで道は開けてゆく。歩みを止めたままでは現状維持=営業力低下=売り上げ低下の道しかない。
全員参画営業とは経営者、管理者がベクトルを合わせることが大切となる。ベクトルとは、進むべき方向性のことである。なにも営業をしないで日々の業務に忙殺される、クレーム、トラブルの処理に追われる。すると、ジリジリと売り上げが低下していく。ジリ貧化の道をたどる。この時こそ、ベクトルを合わせて全員参画営業体制を確立するのである。
営業活動の第一歩を、勇気をもって始めることが経営者・管理者に求められている。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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