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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(121)経営活性化シリーズ70
2016年8月5日
(70)3Q6Sのすすめ
「3Q6S」という経営活性化のキーワードがある。京都で身ひとつで創業し、いまや1兆円企業を創りあげた経営者のキーワードである。経営者の名前は日本電産グループのリーダー・永守重信氏である。3Qとは、Quality Worker(良い社員)、Quality Company(良い会社)、Quality Products(良い製品)のことである。
3Qを成し遂げていくのが6S(整理、整頓、清潔、清掃、作法、躾)である。一般の5Sに?作法?を加えている。作法とは基本行動のことである。あいさつをしっかりする、身だしなみをキッチリする、仕事の進め方はマニュアル基準に従って行う…総称して作法である。永守氏は3Q6Sをものさしにして経営を行っている。100点満点で評価している。「60点ならば事業は黒字、80点つけば最高益になる」(永守氏の言)。
物流業の経営活性化のキーワードも3Q6Sがピッタリ当てはまる。良い社員=生き生きと働き、やる気を持っているドライバー、良い会社=赤字ではなく黒字、しかも営業利益率は5%以上、良い製品=物流品質レベルの高い会社。3Qを実現していく道が6Sにある。
物流業の6Sはドライバー、車両、環境で成し遂げていく。ドライバーの6Sは、制服を正しく着用する。あいさつ、マナーがしっかりしている。日報や報告事項は正しく書いている。サラ金などに追われていなく、生活態度も堅実である。車両の6Sは、日常点検を手順通り行っている。異常箇所は見逃さず、すぐ報告する。荷台は作業の都度キレイにし、車内も清潔である。環境の6Sは、トイレをピカピカにする。休憩所は乱雑でない。いらないゴミは放置していない。
「一、マンネリ 二、油断 三、驕り 四、妥協 五、怠慢 六、諦め=会社がおかしくなる六つの要因」(永守氏の言)。会社がおかしくなる要因の根本は、3Q6Sの不徹底にある。3Q6Sをないがしろにすることで会社がおかしくなってくる。つきつめて言えば、3Q6Sは「経営の心」である。「経営の心」が弱ってくると会社がおかしくなってくる。
3Q6Sを100点満点で点数化して、80点以上を達成することである。全員の総力で取り組むことである。6Sが基本となって3Qを実現していく。地道に、コツコツと、執念を持って実践していくことである。運送業は一人ひとりが心の中で呪文のごとく3Q6Sと念じ続けていくことが、生き残り、赤字から黒字へと転換することとなる。3Q6Sを念じ続ければ花開く。 -
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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