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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(180)ゆでガエルになるな〈事例A〉
2017年12月8日
〈思いは届かず〉
「社長、このままでは会社がつぶれます。この際、経営の抜本改革案を早急につくります。そして、この抜本改革の実行役として、わたしが最後のご奉公をします。やらせて下さい」タイタニックという映画がある。沈んでいく船の話である。沈む運命の中でラブストーリーが育まれていく。運命に必死になってあらがっていく。A社はまさにタイタニック号となった。
側近B氏は一世一代、必死になってA社長の決断を迫っていった。ところが、裏目になってしまった。A社長は創業者のコトバが頭に残っていた。
「Bはいい男だ。ところがあいつは経営者タイプではない。経営者としては無能といっていい。上手に使え」
A社長にしてみれば、B氏の必死の忠言は「自分が社長をやります」というように聞こえた。B氏の真意は伝わらなかった。ムスッとしてB氏の忠言を聞いた。A社長は一言も言わず、ひたすら考え込むばかりである。「これ以上さらに迫ると、A社長はますます病気になってしまう」――側近B氏は会社を去るしかなかった。B氏の悲しい決断である。
(つづく)
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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