-
ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(187)心のバトンタッチ〈事例A〉
2018年4月15日
〈魂の伝授〉
A社長のギリギリまで経営にかける執念が、いつかは息子に伝わる時が来る。平たくいうと、生きている間は伝わりにくいものだ。
オヤジの存在感は、いなくなってしみじみ伝わるものだ。その意味では、オヤジと息子の関係は、寂しいものだ。面と向かっている時は、オヤジの生き様は伝わらない。後ろ姿で子は育つ。オヤジの不在で子は育つのだ。
70歳で事業承継体制は完了しても、生きている限りは経営者であり続けることだ。その生き様は必ず息子に伝わる。完全引退は棺桶に入る時である。
A社長が経営者としてスタートを切ったのは26歳。その時、A社長のオヤジは亡くなっていた。60歳になる前の死去である。職人であった。現役の職人として仕事場でバッタリ倒れて急死した。A社長にはオヤジの「生き様」より「死に様」が深く刻まれた。
「オヤジの人生は働きづめの人生であった。仕事が終わっての一杯の酒を楽しみにしていたなあ。自分も死ぬまで働こう」と心に決めて、サラリーマンを辞めて独立自営の道に入った。
(つづく)
この記事へのコメント
-
-
-
-
筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
「ブログ・川﨑 依邦」の 月別記事一覧
-
「ブログ・川﨑 依邦」の新着記事
-
物流メルマガ