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ブログ・野口 誠一
第18回:倒産の前触れ第13条/経営者が過信・高慢に陥ったとき
2004年2月26日
倒産の前ぶれ15カ条の第13条は、『経営者が過信・高慢に陥ったとき』である。
私の手元に一つのデータがある。それは以前、八起会会員(500人)に「あなたの倒産原因は何か」というアンケートを行った調査結果である。
まずはそのワーストテンを第10位のほうから順に紹介しよう。
(10)経営者のワンマン・反省心の欠如
(9)計数管理の不足と勉強不足
(8)決断力・実行力の欠如
(7)公私混同と経営哲学の欠如
(6)家庭不和・同族経営の弊害
(5)新製品の欠如・技術開発の遅れ
(4)業界情報の不足と環境変化への対応不備
(3)事業目的・目標・計画性の欠如
(2)社員教育の不備、欠如
(1)経営者の高慢・経営能力の過信
ここで注目していただきたいのが第1位の『高慢・過信』である。
これは、経営者が高慢・過信に陥れば、倒産は「時間の問題」であることを示している。私はこれを「高慢病」と名づけているが、この病気の厄介なところは、自覚症状がないことと、経営が好調であればあるほどかかりやすいことである。しかも、自信と過信は紙一重、過信と慢心は紙一重と言っていい。その紙一重が企業を発展と倒産に分けるとすれば、経営者の自覚と責任は重大である。
松下幸之助は慢心をいましめるために、自分のポケットマネーで「苦言係」を雇っていたという。さすがに経営の神様はツボをはずさない。しかし、中小企業の経営者にそこまで求めるのは無理があろう。そのかわりとして、是非とも八起会の倒産原因ワーストテンを活用していただきたい。経営者各自がこのワーストテンに従って自己採点し、自分が今どの位置にあるかを確認することは、決して無駄にはならないはずである。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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