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ブログ・野口 誠一
第76回:危ない経営者第10条・コンプライアンスを無視する経営者
2004年8月21日
前回まで「危ない経営者10か条」を紹介した。その各箇条についても解説した。もう一度列記すると以下の通りである。
1.耳の痛い話を聞こうとしない経営者
2.社員・従業員に愛情のない経営者
3.時間や約束事にルーズな経営者
4.言行が一致しない経営者
5.夢やロマンのない経営者
6.自己中心型の経営者
7.経済環境を読めない経営者
8.無形の財産に投資しない経営者
9.新製品の開発に不熱心な経営者
10.経営理念・方針のない経営者
この10か条を自己チェックして、自分が危ない経営者かどうかの参考にしていただければ幸いである。
このところ三菱自動車、UFJ、ダイエーが揺れに揺れている。その過程を見ていて、つくづく思うことは、いかにコンプライアンス(法令順守)が大事かということである。いったん不祥事を起こせば、再建はきわめて難しい。リコール隠し、ヤミ改修、虚偽報告と違法が相次いだ三菱自動車は、販売激減と株価急落に見舞われ、窮地にある。いかに三菱グループが支援しようとも、消費市場と資本市場から「NO」を突きつけられては厳しい。三菱グループ各社も、大幅に株式評価損を計上せざるを得ないだろう。
一方、法廷闘争にまで発展し、三菱東京FGと三井住友FGの間で揺れたUFJも、そのきっかけは金融庁の業務改善命令にあったが、原因はUFJ側の書類・データの隠蔽、虚偽の回答、資料の破棄・改竄など、検査忌避にあった。コンプライアンスを軽視した結果である。こうした動きを見て、私は「危ない経営者10か条」にもう1条加えねば…と思っている。それは「コンプライアンスを軽視する経営者」である。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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