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ブログ・野口 誠一
第269回:倒産必至に追い込まれ
2010年6月4日
経営の悪化につれて、当然ながら銀行の対応も変わって参ります。平成6年10月、ついに取引銀行に引き揚げられ、会社の資金繰りは行き詰まってしまいました。
まだ不渡りは出していませんでしたが、資金調達にメドが立たないままでは、1か月後の手形は確実に不渡りとなってしまいます。バブル崩壊という環境の変化に対応できなかった私の責任ですが、倒産必至の状況に追い込まれてしまいました。
悪いときには悪いことが重なるものです。入院していた母親の容体が急に悪化し、あっけなく亡くなってしまいました。私は何もかも嫌になり、通夜が終わった夜、妻に「もうおしまいだ。明日、葬儀が終わったら夜逃げしよう」と言いました。
妻に返事はありませんでしたが、黙々と夜逃げの準備を始めてくれました。そして母親の葬儀が終わったその夜、私は生まれ育った故郷を捨て、夜逃げしたのです。
いま思っても、妻や子どもたちがよく黙ってついてきてくれたものだと思います。そのとき私が48歳、妻は47歳、子どもは男の子ばかり3人でした。たまたま東京に叔父がおりましたので、その叔父を頼って東京へ来ました。
叔父の所に身を寄せて4、5日経った頃、叔父に八起会の存在を教えてもらい、私と妻は上野駅で下車し、八起会の住所を頼りに稲荷町ビルを探しあて、おそるおそる3階まで上がり、八起会のドアをノックしました。平成6年11月9日のことです。
野口会長はやさしく迎えて下さいました。私は会長にすべての事情と状況を話し、助けを求めました。会長も真剣に私の話を聞いて下さり、弁護士の方とも連絡を取り合い、いろいろとアドバイスして下さいました。しかし、会長が最後に下した結論に、私は驚きました。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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