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ブログ・野口 誠一
第277回:生まれ変わった「心」
2010年7月23日
再び事業を始めることが「再起」だと思っていた主人は、焦りはじめます。すこしずつ貯めていたお金も、事業をやるからといって使ってしまい、すぐに失敗してしまいます。それでも懲りずにまた違う事業を夢想します。いくら注意しても聞いてくれません。あれほど会長が「再起は経営者に返り咲くことだけではないよ。夫婦2人、幸せになることだ。人生の目的は社長になることではない。幸せになることだ」と教えてくださったにもかかわらず、主人は聞く耳を持ちません。いまは私も働いているわけですから、主人の勝手ばかりでは納得できません。だんだん違和感を覚えた私は、実家に戻りました。いったん別居し、それでも主人が変わらなければ、離婚もやむなしと覚悟を決めました。
ところが1年ほどして再会したところ、主人は見違えるように変わっていました。ある職場で一従業員として働いており、「とにかく仕事がたのしい」と言います。それはいままでの主人とまるで別人でした。経営者からも信頼され、休日返上で働く主人の姿を見て、私はもう一度二人でやり直そうと心に決めました。あとから聞いた話ですが、一人ぽっちになって、淋しさをまぎらわすためにがむしゃらに働いたということでした。
その後も主人は黙々と働きました。でも、その会社は不幸にも倒産してしまいました。主人はまた職さがしの身となりましたが、もう大丈夫。安心して頼れる人間に変わっていました。野口会長がいつもおっしゃられる「心の再起」がなったのだと思います。それまでの自分を反省し、新しい自分に生まれ変わる、その心の再起です。いま、主人はマンションの管理人の仕事をしています。住民の出したゴミの処理や掃除、たまには汚物の処理なども黙々とこなしています。主人は変わりました。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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