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ブログ・野口 誠一
第281回:両親に心から感謝
2010年8月20日
母がラブホテルの受付を始めて間もなく、母に「きょうは泊まりの仕事だから、あなたもいっしょに泊まってそこから学校へ行きなさいよ」と言われたことがあります。ラブホテルですよ、そんな母親がいるでしょうか。でも、好奇心旺盛な私は母といっしょに泊り、翌朝そこから制服姿で通学したことを覚えています。このような天然系の母のおかげで、私たちも不安なく生活できたのだと思います。
やがて、父がお勤めに出るようになりました。通勤だけでも大変な苦労だったと思います。社長のときは毎朝、迎えの車だったのですから。サラリーマンにとっては当たり前のことでも、社長しか知らない父にとっては苦痛でしかなかったと思います。自分よりずっと年下の人たちに使われ、どんなに辛かったことでしょう。
そんなさなか、私の学校の授業でピアノが必要だと知ると、当時は余分なお金などないはずなのに、父はすぐにピアノを買ってくれました。私はうれしいよりも申しわけなく、ありがたく、1日も休むことなく練習しました。もう28年にもなりますが、いまも嫁ぎ先の家に置いてあります。
父という人は、自分がどのような状況にあろうと、いざ子どものこととなると、すぐさま行動してくれる人です。私の主人も父と同類です。そっくりです。仕事に対して厳しく、物事に対して緻密で、人の気付かないことにも気付きます。そして何よりも、家族と子どもたちを愛してくれます。私たちきょうだい3人も、生まれたときからずっとかわいがられてきました。だから、倒産という危機のなかでも、両親を信じられたのだと思います。私はいま、2人の娘でよかったと心から感謝しています。私たちきょうだい3人は、いつまでも2人の子どもです。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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