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ブログ・野口 誠一
第287回:失保切れに届け物が
2010年10月1日
自己破産を余儀なくされた家庭の生活はみじめなものです。私たち一家はまさにそのみじめのなかにありました。そんなある日、野口会長から宅急便が届きました。中身は新米でした。ちょうど主人の失業保険が切れ、蓄えもなく苦しんでいたときでしたので、主人も私も涙、涙で言葉になりませんでした。そのときのお米のありがたさは、一生忘れられません。
また別の日、お金もなく夕食を何にしようかと考えあぐねていたところへ、会長の奥さまから生みたての卵がたくさん届きました。これも涙ながらに、卵かけごはんを何杯もおかわりしました。こうして会長ご夫妻はじめ、八起会会員のみなさんに支えていただいたおかげで、1年2ヶ月ぶりに主人の仕事が決まりました。そのときはうれしくてうれしくて、主人と手を取り合って喜びました。
これだけ苦労をさせられながらも、主人についてきたのはなんだったのかと考えてみると、主人の裏表のない人柄に尽きます。どうしてこんなにお人好しなのかしらと思うこともたびたびです。でも、反省もいっぱいあります。そんな主人のペースに乗せられ、きちんと管理できなかったこと。なんと思われようと、疑問に思ったことをとことん話し合わなかったこと。夫婦といえども同調せず、主人がお人好しなら私がしっかりしなければいけなかったこと。反省ばかりです。
でも、おかげさまで他人の痛みをわが身におきかえて考えられるようになりました。現在、新しい生活に移って11年です。その間に2人の娘は結婚し、いまは孫が3人です。主人はいまも元気に働いています。私たちは会長ご夫妻をはじめ、八起会のみなさんに助けていただいたことを胸に刻み、これからも八起会会員として人生を送って参りたいと思います。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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